俺は完全にハメられた【TH】 (ページ9)

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9 TH ページ9

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｟テヒョン。来週の火曜日、2人でご飯行かない？｠

あれから2週間ぐらい経ってやっとAから連絡がきた。初めての誘いで有名人と飯なんて緊張するなーとか呑気なこと考えてた。

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学校が終わって、家帰って着替えて集合場所の大通りに来た。
黒い服装だって言ってた。バケハ被ってベース持ってるから分かりやすいでしょって。

「あ…居た」

見つけた。でも俺はAから聞いてた特徴で見つけた訳じゃない。
1人だけ雰囲気が違ったんだ、特有のオーラって言うか。
立ってイヤホンして、俺のこと待ってるだけなんだけど、なんか凄かった。

「A…、」
「あ、テヒョン…学校終わりだよね。お疲れ」
「いや、全然大丈夫。とりあえず行こ」
「うん」

ここにAが居ることを隠したい気持ちになって、早く店に行きたかった。
男同士だけど、Aは有名人だから個室の方がいいよなってなって、個室のある焼肉屋に行く事にした。

「じゃ、とりあえずジュースね」

まあ未成年だからジュースで乾杯とかかわいいやつになった。

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「んー、めっちゃ美味しい」
「肉好きなの？」
「うん、やっぱ練習終わりとかお腹すくからガッツリ食べたいんだよね」
「あ…そういや今日何してたの？Aって学校行ってんの？」

いい具合に肉も焼けてきて、よそよそしさは少しあっても話が弾みそうだったから思い切って質問してみた。

「んっとね、今日は事務所行ってメンバーと打ち合わせした。そっからそのまま全員で練習して、スタジオ変えて自主練って感じ。
学校は芸能専門の高校行ってて、ずっと公欠取ってるから大丈夫」
「へえ…めっちゃすごいじゃん」

「っ…そんな事ないよ、売れなかったら終わりだって死ぬほど悩んだ事もあったし。みんなに見放されないか心配…はは」

Aって俺と同い年なんだよなって改めて思って、こんなにも違う生き方をしてる人間を目の前にして、素直に立派で尊敬した。

「…俺はさ、本当に最近××の事知って。ジョングクに色々教えてもらって、まだめちゃくちゃにわかだけど。めっちゃ好きだよ」
「ぅ…ん、嬉しい、ありがとう」

「毎日曲も聴いてる、歌番組見たよ。A下から撮られても美形でびびった」
「あんま、褒めないでよ…ははっ」

1ヶ月前の俺はAと笑って飯食う日が来るなんて思いもしてなかっただろうな。