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俺の家の裏に藤ヶ谷という表札がついた家が建った。





同い年の少年とその弟。




そいつはどうやら人見知りで、ずっと母親の足にしがみついていた。






どうか仲良くできないものか…





試行錯誤の繰り返し。








それから10年。








「北山ーーーー!!おはよう!!」


そんな面影もなく気さくに話しかけてくるこいつ。




「おはよ。藤ヶ谷。」


藤ヶ谷太輔。小学校の時転校してきてから人見知りという性格のせいというかおかげというか、中学校、高校と俺になんだかんだべったりだ。






「ねえ。藤ヶ谷、なんか忘れてない?」
「え?…あぁ!」





学校に行くのにカバンを忘れるとは、何なんだこいつは。



クラスも違えば棟も違う。

ただ俺らの間にあるものは家の近さと今までの思い出、過ごした時間くらいだ。



常にぼーっとしてしまう俺と違って藤ヶ谷はよく気がきくし、優しいしで女の子には結構モテる。



何回藤ヶ谷の連絡先聞かれたかな。


いつか藤ヶ谷にも彼女ができて、そしたら俺なんかどうでもいいんだろうな。




ちょっとさみしい。






って何なんだ俺。

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作者名:北山ちぇりとま | 作成日時:2017年9月19日 1時

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