□第3話 ページ4
｢そこ座って。｣
『？ここ？』
ソファーに座ると隣にイルミが座った。
するとイルミはAの膝に自分の頭を乗っけ、お腹の方に顔を向けてAの腰に抱き付く。
それに微笑むA。
『何？いきなり甘えてきて。寂しかったの？』
｢……別にそんなんじゃ無いし。｣
『ふふっ、そう。』
意地を張っているイルミだが耳が少し赤くなっていた。Aにそれは丸見えだったので、ニマニマと笑っている。
最初はそれに文句を言っていたが、段々と口数が減ってゆく。
『眠いの？』
｢……五月蝿い。｣
『ほんと素直じゃ無いんだから。………寝ても良いわよ。ご飯が出来たら起こすから。』
｢……ねぇ、何処にも行かない？起きても居る？｣
『居るわよ。だからおやすみ、イルミ。』
｢………うん。｣
スースーと寝息をたてて眠るイルミをAが優しく撫でる。
『(今日はだいぶ素直だったわね。そんなに寂しかったのかしら。)』
するとAの手にすり寄ってくるイルミ。
『(本当、私の弟可愛すぎでしょ！！)』
静かに弟の可愛さに萌えていたAだった。
ーー＊ーーー＊ーー
あの後Aは、机にあった小説を読んでいるとキキョウが来てご飯が出来たと言われたのでイルミを起こしている。
『イルミ、起きて。ご飯出来たってお母様が言ってたわ。』
｢……｣
『イルミ………貴方起きているでしょ。』
｢…バレた？｣
『そのくらい分かるわよ。眠いなら食べてから寝ればいいでしょ？ほら、立って。』
｢……｣
『はぁ……』
Aがいくら声を掛けても抱き付く力を強くするばかりで立つ気配は無い。
『イルミ、本当に立って。皆待ってるわ。』
｢……Aが今日夜一緒に寝てくれるなら立つ。｣
『え？………今日はカルトと寝る約束をしてるのよ。』
｢は？カルト？…じゃあ立たない。｣
『明日じゃ駄目なの？』
｢やだ、今日が良い。｣
困るAだが、一つの案を思い付く。
『じゃあ良いわ。一緒に寝てあげる。だから立って。』
｢本当に？絶対だから。｣
『分かったわよ。』
そう言ってやっと立ったイルミ。Aは安堵の表情を浮かべる。
『じゃあ行きましょうか。』
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