□第1話 ページ2
ただいま、AことA·ゾルディックは実家に帰る途中だ。
何故か。それはAの弟キルアが家出したという連絡が着たからだった。
『まぁ、前から知っていたのだけれど。』
実はキルアからメールやら電話やらで家出についての相談を受けていたのだ。
……そして彼の背中をAは押した。
つまりAが余計なことをしなければ、辞めた方がいいと説得していれば、こんなことにはならなかったという訳だ。
そしてそうこうしているうちにAは実家に到着した。
『とうとう着いちゃったわね……』
試しの門を最後まで開け、中へ入ると母であるキキョウが後ろにカルトを連れながらやって来た。
｢あら、Aちゃん久しぶりね！どうだった？元気にしてたの？後で色々聞かせて頂戴ね？そうだわ、聞いて頂戴！あの子ったら私とミルキを刺して出てったのよ！それはもう冷たい視線だったわ！やっとあの子もあんな視線が出来るようになったのね！もう私嬉しくて嬉しくて！でも家出したことに代わり無いのよ、連れ戻さないとね！Aちゃんも手伝ってくれるかしら？それと……｣
Aは途轍もないマシンガントークで話されたがいつものことなのでもう慣れている。そこでキキョウの後ろに居るカルト気づき、話し掛ける。
『久しぶりね、カルト。元気にしてた？』
｢はい。その……お姉様が居なかったので……寂しかった…です。｣
『ふふっ、相変わらず可愛いわね！おいで。』
モジモジしてポソリと言ってくるカルトが可愛いくて堪らなかったらしく、抱きしめる。
暫くカルトを堪能しているとゼノがやって来た。
｢A、シルバが呼んでおったぞ。｣
『あっ、そうだったわ。ありがとう。………じゃあ、ちょっとお父さんの所に行ってくるわね。』
Aは名残惜しそうにカルトから離れ、シルバの元に向かった。
ーー＊ーーー＊ーー
『失礼します。Aです。』
｢入れ。｣
そう言われ、シルバの部屋に入る。
『久しぶりでございます、お父様。』
｢あぁ。久しいな。無理はしてないか？｣
『ふふっ、大丈夫ですよ。』
｢そうか。話が変わるが、キルアが出ていったことについてだ。……お前知っていただろう。｣
『……えぇ、まぁ。』
｢やはりな。｣
シルバは深く溜め息をついた。
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