第10話 仲直り ページ10
.
「おい、優雨ちょっといいか？」
「あ……なに、哲次さん」
＿＿＿＿
＿＿
＿
「優雨くん、遅いなぁ」
放課後、学校で唐突に優雨くんに呼び止められた。
話があるから部屋で待っててほしい、との事。
優雨くんから話しかけてくれるのも初めてだし、久しぶりの会話だったので、もちろん私は二つ返事でOKした。
話ってなんだろ。
どうしよ、もう関わるなとか言われたら！！
いや、もう再婚しちゃってるしそんなの無理なんだけどね？？
でもでも、優雨くんの意思なら尊重してあげたいし、極力近付かないとかだったら出来るかも？
……それは私の精神がもたない。
「うへぇええ」
「なに変な声出してんの？」
「！？」
マッテ、イツカライタノ。
これは恥ずかしすぎる！！！
私は真っ赤になったほっぺたを手で抑え、頬の熱を冷ます。
「まぁ、どーでもいいけど…その、」
「ん？」
言いづらそうに視線を下にさげる優雨くん。
こんな時に言う事じゃないけど、超かわいい。
あぁ、でももう少しで俺に関わるなって言われるんだよね？辛すぎ。
何度か口をパクパクさせた末、ついに優雨くんは口を開いた。
「こないだはごめん…！！」
「そうだよね、私とは関わりたくないよね、でも私は優雨くんが大好きだからっ……って、え？」
目の前には私に向かって頭を下げる優雨くんが。
待って、これどういう状況？
こんがらかった頭を整理するため、今一度優雨くんが言ったセリフを頭の中でリピートする。
ごめんって言ったの…？
「こないだなんも知らないくせに責めて、挙句の果て避けたりしてごめん」
「いやいや、それは勝手に私が過去を視ちゃったからで…！！優雨くんはなにも悪くないっていうか、悪いとこなんてないよ！？」
ていうかいい加減頭を上げてほしい、申し訳なさすぎてどうしよう。
「いや、俺が悪かった。ほんとごめん」
そう言って何度も頭を下げる優雨くん。
私が違う、と言う暇さえ与えてくれない。
私がどうしようかと悩んでいると、
優雨くんはそれと…と呟き、やっと顔を上げた。
「色々助けてくれて、ありがとう」
…これはヤバすぎた。優雨くん天使すぎ。
感情を抑えられず、思わず抱きつく。
「優雨くんだいすきいいい！！！」
「うわ、」
すると優雨くんが初めて受け止めてくれた。
神様ありがとう、感謝。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん - 大凶……引いたこと……あるぜ(-ω☆)ｷﾗﾘ←それで鍵なくしたりとかした人 (2020年8月17日 23時) (
レス) id: c3d7aa86fa (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - ナツキさん» ありがとうございます！近々更新すると思われます！ (2018年2月3日 23時) (レス) id: c0018a15c2 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 神谷さん» そうなんですか…！ある意味凄いですよね笑私はみたことないです (2018年2月3日 23時) (レス) id: c0018a15c2 (このIDを非表示/違反報告)
ナツキ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！ (2018年2月1日 21時) (レス) id: 07216334ef (このIDを非表示/違反報告)
神谷 - 大凶ですか…私の修学旅行でお参りした神社で大凶引いた人がいたんですよね。 (2018年1月28日 21時) (レス) id: 1ad4e8b521 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葉月 | 作成日時：2017年10月7日 20時
