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第2話 弟 ページ2

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ふむ。なるほど。

よろしくするつもりはない、ね。





「だがしかし、Aは諦めない!」



私はそう宣言し、未来の兄弟君に飛び付く。

そしてそのまま脇を擽った。




「どーだ!Aちゃん必殺!擽り攻撃ー!」

「うわっ、やめろ!俺は子供と戯れる趣味はないんだよ!」




私は彼のその発言に薄く笑い、彼をじっくり視た。


……なるほどね。





「優雨君も子供じゃん」

「は!?なんで名前_」

「都筑優雨。10歳。誕生日は……6月7日?Aと1日違いだ、って事はAがお姉ちゃんだね!好きな事は悪戯。そして……」









____トリップしてきた。





私がそう呟くと彼は目を大きく見開いた。


私はそのまま彼に近づき、顔が当たるまであと数センチという所で止まった。




「ど?当たりー!?」


「……なるほどね、お前がもう1人のトリップ者ってことか。つか近い、離れろ」


「はーい」




私は彼からある程度距離をとり、近くにあった自分のベッドに座った。


確かにあの時兄弟が欲しいって言ったけど、まさかこんな形で、同じトリップしてきた人間に会えるなんて。


これでも内心、私も驚いている。




「さっきのお前のSE?」

「そうそう、結構便利なんだよね、これ」

「へー……」




その時、ドアの向こう側から足音が聞こえた。


私はドアの方をじっと見つめる。




「……うん、父さんだなあ。優雨君こっち来て」



優雨君は意味がわからずしぶしぶ、と言った感じでこちらに足を進めた。


そんな優雨君に近くにあった人形を持たせ、遊んでるフリをする。




丁度いいタイミングで父さんがドアを開いた。




「Aー、優雨君と仲良く出来たか?」

「ん!今お人形さんごっこしてたのー!」




優雨君はまじかコイツ、みたいな目で私を見てきたけど無視だ。


父さんは満足そうに微笑んだ。




「優雨君、もう帰る時間だ。お母さんが待ってるよ」



父さんがそう言うと優雨君はゆっくり頷き、部屋を出ていった。





「ねー、父さん。優雨君とはいつから一緒に暮らすの?」

「うーん、早くて明日くらいじゃないか?」

「そっかあ」




今の、優雨君が聞いてたら嫌な顔するんだろうな。



私はそんな事を考えながら部屋から出て、優雨君達を見送った。




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第3話 初めて→←第1話 母



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みかん - 大凶……引いたこと……あるぜ(-ω☆)キラリ←それで鍵なくしたりとかした人 (2020年8月17日 23時) (レス) id: c3d7aa86fa (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - ナツキさん» ありがとうございます!近々更新すると思われます! (2018年2月3日 23時) (レス) id: c0018a15c2 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 神谷さん» そうなんですか…!ある意味凄いですよね笑私はみたことないです (2018年2月3日 23時) (レス) id: c0018a15c2 (このIDを非表示/違反報告)
ナツキ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (2018年2月1日 21時) (レス) id: 07216334ef (このIDを非表示/違反報告)
神谷 - 大凶ですか…私の修学旅行でお参りした神社で大凶引いた人がいたんですよね。 (2018年1月28日 21時) (レス) id: 1ad4e8b521 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葉月 | 作成日時:2017年10月7日 20時

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