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あ「暇だ…………」
何もすることがないAはベッドの上でそうボソリと呟いた。
自身の銃は行方知らず。きっと手元には帰ってこないだろう。
が、命と同等の価値がある銃を放っておくことは出来ない。
あ「………探しに行こう」
無謀はいつもの事だ。
Aはベッドからゆっくり降りる。
あ「ッ………!!」
脇腹に痛みが走るが、撃たれた時よりは全然マシである。
Aは乱れていた服を整え、ゆっくりと足を進めたのだった。
・
・
あ「(それにしても凄い豪邸だ)」
歩いても歩いても続く廊下に、心なしかムカついてくる自分がいる。
そしてその度にある無数のドア。果たしてどれがお目当ての部屋か検討がつかない。
__英「お前ッ、其れ彼奴の銃じゃねーか!」
あ「(彼奴の銃………!?)」
突き当たりの角からアーサーの話し声が聞こえる。
興味深い単語を聞き取ったAは、注意深くその会話に耳を傾けた。
英「何でお前が持ってんだよ」
米「いやぁー、同じデザートイーグルだから気になっちゃってね」
あ「(同じデザートイーグル………つまり其れは………俺の銃………!?)」
Aは急いで廊下を進み、既にアーサーの姿が見当たらなくなったドアに辿り着く。
そして、
バァンッッ!!!!
米「What's up!?」
あ「はぁっ、はぁっ………俺の………俺のッ!!!!」
突然Aが入って来て驚いているアルフレッドを余所に、Aはデザートイーグルを奪還しようと手を伸ばす。
米「ちょっ、A、どうしたんだい!?」
あ「俺の銃を返せッ!!!!」
米「そんなに怒らないでくれよ!そんなに身を乗り出したら危ないッぅああああッ!!!!」
アルフレッドがバランスを崩し、そのまま二人とも倒れてしまう。
米「痛た………痛いんだぞ………って、大丈夫かい!?」
あ「俺の………返せッ………!!」
地面に転がりながらも、尚敵意剥き出しのAにアルフレッドは困惑の表情を見せる。
米「オレはただ、君の銃を治しただけなんだぞ………」
あ「………治した?」
米「どうやら君が倒れた時にこの銃も地面に叩き付けられたようで、ハンマーが引っかかったんだ」
あ「……………そうか」
「返すよ」と渡される銃を見つめながらAは複雑そうな顔をして、それを受け取ったのだった。
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ゼロゼロ - 応援してます。頑張ってください。 (2016年8月29日 16時) (レス) id: c700e275a5 (このIDを非表示/違反報告)
サクサク(プロフ) - 毬さん» ありがとうございます (2016年8月27日 13時) (レス) id: 858cceefae (このIDを非表示/違反報告)
毬 - この話めっちゃ面白いです!更新頑張ってくださいq(^-^q) (2016年8月27日 12時) (レス) id: 3c74548f33 (このIDを非表示/違反報告)
サクサク(プロフ) - ☆お願いします (2016年8月16日 9時) (レス) id: 858cceefae (このIDを非表示/違反報告)
三日月LOVE☆(プロフ) - おぉーサクサク!!ヘタリア知ってたんだ!!銃器なんて佐疫くんみたいだなぁ。カッコいいよ。\(^o^)/ (2016年8月9日 17時) (レス) id: 3cc3673b86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクサク | 作者ホームページ:
作成日時:2016年8月9日 17時