【ワールドトリガー】太刀川の弟はどうやら二重人格っぽいです・・・。【男主】 (ページ13)

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TRIGGER １１ページ13

あ「(うわ・・・今日の体育長距離走だったんだっけ。)」

三時間目の授業は体育。

僕は体育が苦手なので憂鬱になる。

だからといって「俺」に任せれば、学校新記録は出せるが皆から偏見をかってしまう。

だって普段の僕は運動神経が悪いのだから。

準備運動と柔軟をして、ピッと笛の合図で一斉にスタートする。

距離は3km。

まぁ、男性では普通の距離だと捉えるが僕には鬼畜としか思えない距離だ。

開始早々皆に抜かされる。

一応自分のペースで走っているのに抜かされるのは悲しい。

【フレーフレー、丸メガネ】

あ『ひ、酷くない！？丸メガネだなんて・・・。』

ゼェゼェと荒い息が面白いのか、ケラケラと笑う「俺」。

【まだ半分も走ってねぇーぜ。】

あ『うるさい・・・っ。僕は僕のペースで走ってるんだ。』

【これが走ってるねー・・・早歩き並じゃねーか。】

あ『うぅ・・・けど、ボーダーとして務まるんだから別にいいんだよ。』

【俺様の助太刀によって、な。】

あ『いちいち一言余計なんだよ君は！』

【はぁ？んなもん事実なんだから受け止めろよ。】

あ『もう十分受け止めてるよ。』

自分の弱いところ、全て。

・

・

あ「っはぁ・・・はぁ・・・。」

何とか走りきった僕はペタリと縁石に座り込んだ。

雄「だ、大丈夫か？」

あ「い・・・いつもの・・・ことだから・・・。」

僕より全然早く走り終えた雄太くんが心配してくれる。

雄「水道行けば？」

あ「そうだね、そうするよ。」

棒のように重い足で水道まで歩き、蛇口を捻る。

そして乾いた喉を潤した。

あ「暑い・・・。」

ボーッとしていると、顔が火照っているのが分かる。

僕はメガネを外して冷たい水をバシャリと顔にかけた。

冬なのにキンキンに冷えた水が心地よく感じる。

その時ふと隣の女子と目が合った。

その子は一瞬驚いた顔をしたが、直ぐに用を済ませ小走りで去っていってしまう。

あ「(何かついてた・・・？)」

顔を洗い、雄太くんにその事を言うと「鈍感だなー」とケタケタと笑った。

あ「鈍感？何で？」

雄「きっとAがメガネを外してたからじゃないか？自分では気付いてないだろうけど、メガネ外すと顔立ちの良さが分かんだよ。」

あ「そんな馬鹿な。」

雄「まぁ誇りに思えよ。」

僕が顔立ちが良い・・・？

兄さんは良いけど、僕なんか・・・・・・。