君の笑顔が何よりも…２【影山飛雄】

微笑み…54 ページ5

「なー影山」
「なんだ？」
「お前ってさAのこと好きなの？」
「……はぁ？」


Aが先輩と話している間日向に言われた一言は、俺にとって衝撃的過ぎた。


「……お前今誰が誰を好きだって聞いた？」
「だーかーらーお前がAのこと好きなのかって聞いたんだよ！て言うかお前好きだろ！Aのこと！」


何言ってんだこいつ。どこをどうやって見たら俺がAのこと好きってことになるんだよ。

「え？……まさかお前自分で気付いてないの？」
「……」

気付いて無いもなにもそもそも俺はAのことが好きと言う訳じゃ無いはずだからそんなことを言われても正直分からない。つーかそもそも『好き』ってどんな感じなのかが謎だ。


「お前っ俺だって分かったんだぞ！？」
「逆に何でお前はそう思ったんだよ！」


俺が一番聞きたかったのは、そこだ。日向がそう考えたなら何か理由があるはずだから。


「だってお前女子で仲良いのってAくらいじゃん？」
「はぁ？……そんだけでかよ」


正直。今の日向の回答には拍子抜けした。知り合いだからって別に好きになるって訳じゃねぇだろ。

「後話しとか意外としてるし」
「……」
「あ、あとAのことよく目で追ってる！」

俺の厳しくなる表情に怯えながらやっとまともなことを言った日向の一言が、心にストンっと落ちる。

初めてしっくりくることを言われた気がした。

確かに俺は、普通に授業受けてるときとか(隣だって言うこともあるけど)、休み時間のときとか、部活中とかとにかくふとしたときにAのことを見ていることが多くなった気がする。


見てるほとんどが、俺の方で。今考えるとたまに視線を感じたAが、俺と目が合うと口パクで『なに？』と言ってくるようなことばっかだ。Aから俺のことを見てくるって言うのは無かったと思う。


「なぁ日向」
「ん？」
「その、お前が言った『好き』ってどんな感じなんだ？」


そもそも俺はほとんどバレーばっかで恋愛ってやつをまったく知らない。だから、それが分かんねぇと判断のしようが無いんだ。


「え？えと……ど、ドキドキしたり、キュンってしたりモヤモヤしたり、イライラしたり、とか？……俺も分かんないけど」
「ドキドキ、キュン、モヤモヤ、イライラ……」


口の中で日向の言ったことを反芻してみるが。




……ぜんっぜん分かんねぇ



まぁ今は気にしなくても良いだろういつかその気持ちが分かる……はずだから。

微笑み…55→←微笑み…53

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す