微笑み…85 ページ37
「お前が、あの変なヤツらに絡まれたとき。俺は、もっと早く助けてやれれば良かったって後悔した」
「……うん」
「そうすれば、あんな無理矢理作った笑顔なんてやらせずに済んだのに……っ」
影山の腕から、体温から想いが伝わってきて、なんだか凄く恥ずかしい。でも、その伝わってくる気持ちが本当に心底嬉しくて、幸せで、また自然と笑ってしまう。
「じゃあ影山は、私に無理くり笑顔作って欲しくないんだ」
「当たり前だろ」
慌てる影山が見たくて、少し意地悪に言ってみただけの言葉だったのに、返ってきたのは思いのほか、真剣な言葉と瞳で、こちらがどうすればいいのか分からなくなってしまう。意趣返しは失敗してしまったようだ。
「俺はお前の自然体の笑顔に惚れたんだ。なのに、惚れた笑顔を見れないなんてキツいに決まってる」
「?!」
その影山の言葉にAは顔を真っ赤にして俯いた。このっド天然野郎っ……!!天然と言うのは無自覚だから時としてとんでもないタイミングでとんでもないことを言ってのけるなんて聞いたことがあるが、今このタイミングで知ることになるなんて誰が予測しただろうか。
「だから、またさっきみたいな状況になったらすぐに俺のこと呼べ。絶対守ってみせるから」
「……っはい」
もう、返事をすることしか出来なくなってしまったAを見て、満足気な表情を浮かべる影山。この様子から察するにおそらくまたとんでもないことを言っていると言うことには気づいていないのだろう。
「じゃあもう大丈夫か?」
「うん」
「店戻れるか?」
「うん」
「よし、行くぞ」
「はいよ」
手を引かれて、そのまま外へと出た。少しだけさっきまでいた所よりも明るくて、目を細めてしまう。
「なんでAと影山手繋いでんの?」
「「!?」」
二人してパッと手を離した。
出たすぐの所に玲奈がいてAが戻ってきたことに嬉しそうにしながらも二人の持ついつもとは違う雰囲気にすぐに気づき、その原点を指摘してきた玲奈は流石と言えよう。
「いや、あの、さあ」
「うん」
「……耳貸せ!」
玲奈の耳元で囁くようにAは言った。
付き合うことになった
「はぁあああああ!?」
「しっ静かにして!!」
教室内に玲奈の絶叫が響き渡る。そのあまりの大きさに教室内が何だ何だと一気に注目していったが、皆も忙しいこともあり、すぐに元に戻った。
その事にAはほっと息を吐いた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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クロエ・カナリア(プロフ) - 小遥さん» あ、ありがとうございます!実は最近かなりいそがしくて久し振りの更新です(笑)2月までは更新できない日も続きますが、そう言っていただけるとかなりはげみになります!!これからもよろしくお願いします! (2016年1月4日 20時) (レス) id: 739077dc5d (このIDを非表示/違反報告)
小遥 - この作品面白いですね!私ハイキューの影山大好きなんで!!応援してます!!頑張って下さい! (2016年1月4日 20時) (レス) id: 54435abd29 (このIDを非表示/違反報告)
クロエ・カナリア - 赤い消火器さん» ありがとうございます!更新頑張りますね! (2015年6月15日 22時) (レス) id: 9647c78a26 (このIDを非表示/違反報告)
赤い消火器 - この作品大好きです!!更新がんばってください! (2015年6月15日 21時) (レス) id: d27eb85fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロエ・カナリア | 作成日時:2015年3月4日 10時