君の笑顔が何よりも…２【影山飛雄】

微笑み…69 ページ21

「良い感じっぽいな。Aと影山」
「そうですねっ」


後方で小突きあって笑っているAと影山は、他者から見れば恋人どうしに見えるかもしれない。実際、それくらい仲睦まじく見えたから。


「早くくっつけば良いのに」
「だな。どう見たって両想いなのに」


両想い。そう、両想いだ。誰がどう見たって、どこからどう見たって。なのに、ジレジレと続いているあの二人の“友達”と言う関係を見ているともどかしくなってくる。だから早くくっついてくれお願いだから。


「でももしあの二人が付き合ったとしても恋人っぽいことしなそう」
「あぁそれは……分かる気がする」


菅原はかなり頑張ってそういうことをしてるAと影山の姿を思い浮かべようとしたのだが、無理だった。まったく想像できなかったのだ。

唯一想像できて普通に話して、笑いあってバレーして……あ、ダメだ。今とまったく変わんない。


「でもイチャイチャってどのくらいまでなんですか？」
「え？えーと、手つないだり、抱きあったり、キスしたり……とかじゃないか？」
「あぁたまに人前で抱きあってる人いますよねぇ本当うざい」


どこかしら恨みのこもった言い方をする玲奈は、過去になにかあったのだろうか。物凄い怨念を感じる気がする。


「んー、俺たちをそういう風に見られてたりするのかなぁ」
「えぇ！？ただ一緒に帰ってるだけなのに！？それは無いですよ」


ナイナイと首と手を全力で降って全否定する玲奈の姿にナゼか悲しさを感じてしまった。つまり、俺達ってそういう恋人らしいことまったくしてないってことだろ？影山達のこと言えないじゃんか。


「よしっ玲奈っ」
「はい？」
「手をつなごう」
「は？今ですか？」
「そう、今」
「マジですか」
「マジです」


え？え？と焦っている玲奈のスキを見てサッと右手をさらっていった。


「やぁっと恋人らしいことしたなぁ俺達」
「そ、そうですね」


玲奈の手をギュウッと握ると、握った分だけ握り返してくる。握力があんまりなくて驚いた。


「＿＿今さ、すっごい幸せかも」


大切な仲間がいて、大事な彼女が出来て、その親友の恋を応援して、こうやって手をつないで、なんか本当に、幸せ、だなぁ

その時の玲奈の心情(あぁ菅原先輩マジ天使そんな笑顔しないでください惚れちゃいますっあ、もう惚れてたとりあえずマジ天使天使天使天使天使天使天使天使天使天使天使天使天使天使天使ry)


「＿＿おい、お前ら」

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