微笑み…68 ページ19
「……」
隣にいるAのことを考えると、最近
『影山?』
メイド服を着た、あの時のコイツがフと頭をかすめていく。その度に、どうしようもなくフワフワした気持ちに襲われた。
考えるだけでなにも手につかなくなってくるのに、そんなのがすぐ隣にいてみろ。
「……」
「おーい影山ー?」
なに言えば良いか分からなくなるに決まってんだろうが!!ボケェ!
「でね、家の母親ヒドイの。たまにすっごい理不尽なこと言ってさぁっ」
「色々大変なんだな」
「そーだよ!」
家の事情についてブツクサと文句を言っているコイツの話になんとか相づちをうっているようなこの状況に、少しばかりイラついてくる。いつも通り話せない自分にと、俺とは違いスルスルと話しているAに。
“お前は、なんとも思ってないのかよ”
分かってる。八つ当たりだ。バレーで上手くいかないことがあっても練習すれば良い。だけど、コイツのこととなると変わってくる。
なにをすれば良いのか、どうすればうまくいくのか。クッソ分かんねぇ。
「だけどね、私自身のために言ってくれてるって分かってるから言うに言えないんだよね」
「意外だな。お前なら言ってそうだけど」
「はははっよく言われる」
おちゃらけた風に笑うコイツの顔は、いつもと違って少し苦しそうに見える。なんだよ、何でそんな顔してんだよ。
「変な顔してるぞ、お前」
「うわっしっつれいなやつ!!何だよ変な顔ってー」
「変な顔だったから変な顔って言っただけだ」
「それが失礼って言うんですぅ」
あははっと楽しそうに声を上げて笑うAを見て、自然と笑顔になった。そうだ、俺が見たかったのはこういう笑顔で……
ハッと息をのむ。前に日向が言っていたことがフラッシュバックしたから。
「はははっ影山が笑ってるめずらしー!」
「うるせぇボケ俺だって笑うんだよ!」
いくら悪態をついてきても、影山のその口元に浮かんだ笑みは消えない。そういう顔をいつでも見られたら良いのに。
あぁ自覚するのはなんだかとても怖いけど、もし。この感情に名前があったとしたら、これが
『恋』と言うものなのだろうか
「いやぁいつでも無愛想だからさぁ笑えないのかと思ってたよ」
「な分けないだろ」
影山と/Aと話すどうしようも無いくだらない会話が、とても楽しくて
「「コイツも、そう思ってくれたら良いのに」」
そう考えてしまうのはイケナイことだろうか
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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クロエ・カナリア(プロフ) - 小遥さん» あ、ありがとうございます!実は最近かなりいそがしくて久し振りの更新です(笑)2月までは更新できない日も続きますが、そう言っていただけるとかなりはげみになります!!これからもよろしくお願いします! (2016年1月4日 20時) (レス) id: 739077dc5d (このIDを非表示/違反報告)
小遥 - この作品面白いですね!私ハイキューの影山大好きなんで!!応援してます!!頑張って下さい! (2016年1月4日 20時) (レス) id: 54435abd29 (このIDを非表示/違反報告)
クロエ・カナリア - 赤い消火器さん» ありがとうございます!更新頑張りますね! (2015年6月15日 22時) (レス) id: 9647c78a26 (このIDを非表示/違反報告)
赤い消火器 - この作品大好きです!!更新がんばってください! (2015年6月15日 21時) (レス) id: d27eb85fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロエ・カナリア | 作成日時:2015年3月4日 10時