君の笑顔が何よりも…２【影山飛雄】

微笑み…61 ページ12

「Aさん大丈夫だった〜？」
「まぁなんとか」


クラスに吉崎先生ののびのびした声が響く。私はその声をグッタリしながら聞いていた。


「はい。じゃあこれから文化祭の内容を話合いたいと思います。実行委員さんお願いね」


クラスの実行委員二人が立ち上がり、二人を中心にして話し合いが始まる。


あの後数学の授業が終わるまで会長の長い長い話を聞かされて死ぬかと思った。


「ねぇねぇ何話されたの？」


後ろの女の子に肩をポンポンと叩かれて後ろを振り返ればあの恐怖の時間の内容を聞かれた。やめてくれ今は思い出させないで……


「色々あったのよまた今度話すからさ」
「Aちゃーん喋ってたからメイドさんにしまーす」
「おう？」


え？なに？なんて言った？メイドさん？メイドさんってあのメイドさん？つか何やるのこのクラス、喫茶店？だったら私執事やりたい。と言うかさっきまで玲奈と一緒に自分からメイドさんしたいって言う人達を尊敬の眼差しで見てたばっかナンデスケド。
そこまで考えて更にやりたくないなと感じてしまった。こうなったら仕方ない


「玲奈がやるならやりまーす」
「マジか、マジか！？」


玲奈が非難の声を出すが関係ない。知らない。私が出されると言うのであれば玲奈も出るべきだ。それに管さん喜ぶと思うよきっとたぶんね


「分かったーじゃあAちゃんと玲奈ちゃんはメイドさんねー」
「あ、でも待って」


黒板の「メイドさん」と書かれた隣の欄にAと書かれそうになった時に手をあげた。意見を言うときは手を挙げなきゃね！


「執事もやらせてくれるならやるよー」
「え？執事？でも、Aちゃんは女の子だよ？」
「やってみたいんだよ」
「……んーまぁいっかいいよ前半執事で後半メイドさんとかなら」
「おっけー」

なんだか鼻歌を歌いたい気分になった。

まぁ不用意な形だったけど前々からの夢(執事服着ること)を叶えることが出来たし結果オーライかなぁ玲奈を巻き込んだことは……一応ごめんと思ってるよ一応ね


「メイド服かー憂鬱だぁ」


ぽつりと思わずもれた本音。いや、だってそうでしょう？あぁ言うのは可愛い女の子が着てちやほやされるもんでしょが。何でよりによって私なんだよ。こんな毒吐きまくりな女なんだよ。

百歩譲って玲奈ならまぁたぶん？黙ってれば可愛いかもだから良いけど黙ってればね。

私はダメだよ。もう本当やだ泣きたい

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