In combat/開眼 3.N ページ36
「ぅあっ！！！」
「っ？！光くん！」
冴え渡る思考とは裏腹にどんどん消耗していく体力。
2対2と対等な数でも流石にデカい怪物相手じゃ意味を成していない。
現に今の状況は最悪なもので、先程鵺を一撃で仕留めた光くんも疲れと衝撃によって動きが鈍りつつあった。
「大丈夫光くん！」
「はぁっ……はぁっ…、っ、大丈夫、かすっただけだよ。っく、！」
片膝を着いて顔を苦しそうに歪めながら息を整える光くん。
右手で庇うように押さえている脇腹は少量の血が流れ、酷い鉄の臭いが鼻を突いた。
「……光くん。やっぱり俺にもっ」
さっき…
2対2で戦っているなんて言ったけれど実質そうじゃない。
いざスタートすれば光くんが飛び出し、鵺2匹を相手にした。
どういう事だと俺も参戦しようと思えば鵺共々遠ざけられ、後半は任せるなんて訳が分からない言い訳を残して俺の戯言をシャットダウンした。
「まだ、大丈夫だよ。」
「嫌だ。光くん血が出てる、動いちゃ悪化するよ…」
「はぁっ、げほ…こんくらいで、死なねぇよ。」
「違う、そういう場合じゃ、」
訴える光くんへの心配と共に、フツフツと沸いてくる自分自身への苛立つもどかしい感情。
それはどうしてこんなにも光くんが俺を戦わせないのかを分かってるからこそ生まれた感情だった。
共に戦いたいと息巻く俺…
なのに一体俺はなんの能力を使えるのか、戦えるのかが分かっていない。
だから当然そんなんじゃ足でまといだし、もしかすると今の戦い方が正解なのかも知れないんだ。
「っ、くそっ…」
「はぁ、大丈夫だから、んな焦んなって…っ」
「焦る気持ちにもなるよ。
……光くん、もう限界きてるよね、体がもう…」
「きてねぇーわ……っ。どんだけ、俺の事、か弱いと思ってんの。」
しゃがみ込んでいた光くんが微笑みながら反論しようとする俺の頭に手を置く。
それからは何も言わずにゆっくりと立ち上がり、また鵺目掛けて飛び出した。
また……この光景だ。
何も出来ず、光くんが向かっていく姿を見つめだけ。
「俺、だってっ」
光くんの助けになりたい。
けど…
足りないんだ。
あと一つの、たった一つの意識が足りないんだよ。
その意識さえ持てば俺は動き出せる。
そうカラダが確信してるのに、必死にその意識を探しても出てこない。
ああ、もう。
頭が、アツい…
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あやりょ 。(プロフ) - ゆい花さん» 本当に長い期間更新を空けてしまってすいません(T_T)優しいお言葉本当に嬉しいです！ありがとうございます！ゆっくりですが、今後もよろしくお願いします<(_ _)> (2019年2月27日 20時) (
レス) id: 3f72280c96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい花(プロフ) - 久しぶりの更新で嬉しいです！これからもあやりよ。さんのペースで頑張ってください。応援しています(o^^o) (2019年2月26日 20時) (レス) id: c6ccc5474f (このIDを非表示/違反報告)
きき - はい(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))頑張ってください応援してます(^O^) (2017年10月24日 10時) (レス) id: b5dd81d92a (このIDを非表示/違反報告)
あやりょ 。(プロフ) - ききさん» ききさん、コメントありがとうございます！随分とお待たせしてすいませんm(_ _)m更新、頑張りますね！！ (2017年10月23日 2時) (レス) id: b331d663ec (このIDを非表示/違反報告)
きき - 更新されるのをずっと待ってます(*^▽^*)お願いしますm(_ _)m (2017年10月22日 12時) (レス) id: b5dd81d92a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやりょ ｡
| 作者ホームページ：http://antyan
作成日時：2017年9月1日 16時
