GAME START/覚醒 12.H ページ27
「…謝、んなよ……ひ、かる…」
「っ！薮？！」
「はぁっ……、怪我…、無いよな…？」
「お前…ッ、馬鹿っ…！
俺なんかよりまずは自分の心配をっ！」
「光をッ…助けたくて…、っ、こーなってんだから…、ハァッ…、心配、させろよ…ッゲホ！」
「あんまっ、喋んなって…！」
薮の呼吸が浅くなっていく最悪の状況に、喉が締め付けられる。
そしてまだ立って動けないでいるメンバーへ思わず声を荒らげた。
「伊野ちゃんっ、みんなお願い！
このままじゃっ……このままじゃ薮が…っ、
薮が、死んじゃうって…ッ！！」
「ッ…、ん…っ……はぁ…」
自分で出してしまった最低な予感を言葉にした途端、さっき体験した死の恐怖より恐ろしいものが俺を襲う。
そのあまりの怖さに目眩がして、青白くなっていく薮に体が可笑しいくらい震えた。
「光くん…っ！」
放心しきっていたメンバーの中で、一番に俺へ声を掛けたのは意外な人物。
「圭人、」
「まずはっ、薮くんをまだ安全な真ん中に運ぼうっ？扉は全部、閉まってるみたいだし…！
それにまたあの鵺が動き出しちゃまずいよっ！」
「僕も手伝うっ。揺らさないように慎重に…っ！」
俺と変わらないくらい泣き顔になっている圭人と知念が薮を負担の無いように抱える。
そうすれば他のメンバーも次第に我に返り、俺と薮の元へ駆け寄ってきた。
「裕翔、光くん支えるの手伝える？」
「もちろん。俺が右行くから�睫擇�んは左お願い。」
「そんなっ、俺は、大丈夫だから、！早く薮をっ！」
「…光くん。」
俺へ腕を回す�睫擇藩究討�冷静な声で混乱する意識を呼び止める。
「今は、少しでも早く鵺から逃げた方がいい。あれが動き出したらそれこそマズイよ。」
「え…動くって……」
「見てみて。
薮くんが光くんを庇う直前に3体とも、動きが止まったんだ。」
裕翔の声に3体いた化け物をみれば、確かにピクリとも動かずに止まっていた。
それがどういう事なのかは分からないけれど、俺を襲おうとした鵺の手を見て、薮がまだ生きているのは途中で止まってくれたからと確信する。
「……とりあえず、今は少し落ち着こう？」
「っ、ぁ、ああ……ごめん…。」
俺のせいじゃないとでも言うような優しい顔をした2人に降参して、ズルズルと上がらない足をゆっくりと進めていく。
そして俺は未だ取れない鉄の生臭い血の臭いが鼻につき、自分のやってしまった過ちと共に思わず眉をひそめた。
GAME START/覚醒 13.H→←GAME START/覚醒 11.H
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 294人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやりょ 。(プロフ) - ゆい花さん» 本当に長い期間更新を空けてしまってすいません(T_T)優しいお言葉本当に嬉しいです！ありがとうございます！ゆっくりですが、今後もよろしくお願いします<(_ _)> (2019年2月27日 20時) (
レス) id: 3f72280c96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい花(プロフ) - 久しぶりの更新で嬉しいです！これからもあやりよ。さんのペースで頑張ってください。応援しています(o^^o) (2019年2月26日 20時) (レス) id: c6ccc5474f (このIDを非表示/違反報告)
きき - はい(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))頑張ってください応援してます(^O^) (2017年10月24日 10時) (レス) id: b5dd81d92a (このIDを非表示/違反報告)
あやりょ 。(プロフ) - ききさん» ききさん、コメントありがとうございます！随分とお待たせしてすいませんm(_ _)m更新、頑張りますね！！ (2017年10月23日 2時) (レス) id: b331d663ec (このIDを非表示/違反報告)
きき - 更新されるのをずっと待ってます(*^▽^*)お願いしますm(_ _)m (2017年10月22日 12時) (レス) id: b5dd81d92a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやりょ ｡
| 作者ホームページ：http://antyan
作成日時：2017年9月1日 16時
