I/O -a.b.i.l.i.t.y.-1 [D&R]

GAME START/覚醒 4.D ページ19

『あー！！やっぱりそうなんだね！！！うんうん！！僕の思った通り！！！！！』



「っ……、おいお前！思った通りってどういうことかちゃんと説明しろよ！！」



『説明…？あぁっ、そっかぁ！

薮宏太くんは……いや！君達全員が今、中島裕翔くんがどんな状態なのか分かんないんだね！！
うん、考えてみれば、そうだね！


……だって



所詮、他人同士の君達が、分かるはずないもんね。』



掴みどころのない能天気を装う男の表情が冷ややかな、微笑みに変わる。

それと同時に落とされた理解ならない言葉は全員の逆鱗を掠め、ギロりと男へ視線を貫いた。

けれどそんな行為すら興味がないというように、男はまた裕翔を輝く目で見つめ始めている。


そしてこの場には似つかわしくない、やけに落ち着いた表情で男は言葉を告げた。



『よぉーく彼の言葉を聞いてご覧？Hey! Say! JUMPの諸君。
そして、中島裕翔くん。君は今感じているものを言葉に出してみればいいんだ。』



「うっ……っく…、ハァッ…ん…、」



『ゆっくり脳内で邪魔なものは削ぎ落としていくんだ。
降り注ぐ情報を一心に受け止めては自分を壊していくだけ。

ほら、中島裕翔くん。君は、ナニを、感じている？』



まるで催眠を掛けるかのように、その場に蹲る裕翔へ語りかける男。

そんな本当かも分からない男の欲求する言葉を必死に噛み砕き、裕翔はうつらうつらとする目を、ゆっくりと閉じた。

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