僕のツレ(犬)が人になりまして。

・ヒョンと呼んで ページ19

僕に弟ができました。
血の繋がりだとかそういうのはいいんです。
昨日隣に越してきた男の子なんですけど、すごく可愛い顔していて良い子なんですよ


ふと以前使っていた携帯が気になっていじっていると出てきたメール
なんかこれ自分やばいやつじゃん…。
テンションが昂って何故かこんな訳のわからない内容を(それも母親に、しかも何故敬語だったのか)送った自分が今見ると物凄く恥ずかしい

狂気じみたメールを送ってから早数年

「やっぱりジンギさんの作る料理って本当に美味しい」

そう言ってテーブルいっぱいに並べられた料理を口に運ぶAくん。ジョンヒョンくんも美味しそうに食べてくれるけど彼の食いっぷりは本当にすごい

『よかった。でも喉に詰まらせないでね』

彼の飼っている犬(だった)ジョンヒョンくんとAくんの喧嘩騒動の件から前よりも話すようになり、今ではよくお互いの家でご飯を食べるようにまでなった

名前も知られていなかった頃からするとかなりの進歩だし、ヒョンらしいこと出来てるかもな〜なんて思うのだけれど。

Aくんは僕の事を『ジンギさん』と呼ぶ

さん呼びでも嬉しいけれど本当はヒョンと呼ばれたい。
例えるならLOVEとLIKEみたいな。似てるように見えてかなり大きい違いがある、そんな感じ

やっぱり7歳も年の差があると【お兄さん】と呼べる年齢じゃないんだろうか。もしかして僕ってAくんからしたらオジサン？

『ねえ、Aくん。僕っておじさん？』
食べ終わりソファでクッションを抱き抱えて寛ぐAくんに聞いてみる

「うーん。僕はジンギさんをおじさんだなんて思った事ないですよ。むしろ優しいお兄さんだと思ってます｣

「ただ、お隣さんをヒョンって親しく呼ばせて貰ってもいいのかなって思っちゃって…」

『ねえ、じゃあちょっと僕のことヒョンって呼んでみて』
「えっと……ジンギヒョン？」

ググッと【愛おしい】のメーターが一瞬でMAXにまで跳ね上がった結果、犬猫を可愛がるのと同じ感覚で思わずハグをし頭をわしゃわしゃと撫でてしまった

『あ〜、本当に可愛い。弟にほしいくらい』

「もうだいぶ前から僕弟じゃないですか｣

サラリと嬉しいことを言う所、男ですらときめきそうになる

｢これからも美味しいご飯食べさせてね。ジンギヒョン｣

『食べ盛りの弟のために頑張らないとね』
本日、僕はお隣さんから【ジンギヒョン】に進化しました


P.S.
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