蝶の片割れ【ハイキュー】【鬼滅の刃】

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震える手を押さえ込んで治療を終わらせ、息を吐く







・・・どうして、A、






「・・・胡蝶さん、記憶が？」






恐る恐るというふうに時透くんが聞いてくる






「・・・Aが合宿に行く前日から、同じ夢を何度も見るようになって。頭から血を被ったような鬼が、私を殺すんです。そして決まってこう言う。」







＿＿＿＿＿＿次はちゃんと食べてあげるね、って







なんだか気味が悪くて、それに嫌な予感がして







家を出るAに思わず怪我しないようにと声をかけた






それからすぐです。






親を殺されたこと、姉さんを殺されたこと、カナヲ以外の継子を殺されたこと






全部、思い出した







「それからお館様のところへ行き、また蟲柱として鬼狩りをすることを誓ったんです」






お館様は少し悲しそうな顔をしながらもありがとうと仰って私に隊服と刀、そして面を渡した






そして鬼が「蝶」を探していると聞いた






「私のことだとすぐにわかりました。そしてそれが上弦の弐だとも」






あの鬼は、女を食べることに異常な執着があり、汚らしい






きっとまた私を食べようと血眼になって探しているのだろう






前に一度だけ、Aから鬼殺隊について聞かれたことがあった






そのときは完全に前世のことなんて忘れていたから何の話かわからなかったけれど






この子はあの時既に記憶があった






Aは優しい子だから、きっと私と姉さんの仇をとろうとする






・・・だから、止めようと思って







無茶はしないようにと、ここに来たのだけれど






「遅かったですね・・・」






体中に包帯が巻かれ、点滴に繋がれるAを見る






「・・・Aは、上弦の弐に勝ちましたよ」






「ええ、そうみたいですね・・・本当に、頑張ってくれた」






頸を斬ったのは時透くんだろうけど、かすり傷程度しか負っていないところを見ると






この子がどんなに頑張ってくれたかが分かる






カナエ姉さんも私もやり遂げられなかったことを、この子はひとりでやってみせた







「・・・Aは、自慢の妹です」






呼吸が落ち着いてきたAを見つめ、そっと頭を撫でた

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