蝶の片割れ【ハイキュー】【鬼滅の刃】

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おれたちとはなんとなく違う空気を纏っていると思った





いつもニコニコしている姿はよく言えば愛想がよく





・・・悪く言えば、少し怖い





さっきだっておれが話しかけるまでは真顔っていうか





ちょっと怒ったような、疲れたような顔してたのに





声をかけた瞬間いつもみたいな笑顔に戻ってた





臨時のマネージャーって言っていたけど





普通誘われたからって宮城からここまで来る？





翔陽に聞いたけどバレー経験者でもないし





試合を見てる時は楽しそうな顔してたからバレーは好きなんだと思う、たぶん





おれは今日初めて話したけど、赤葦もクロも木兎さんもリエーフも





みんな胡蝶さんのことを不思議な人だと言ってた





掴めない、って表現が一番合うかも知れない





クロたちが気になるのもなんとなくわかるよ





何考えてるかわからないし、距離を感じる





だって胡蝶さん、おれに嘘ついたでしょ





ここの洗濯場には何回か行ったけど柔軟剤なんて置いてないし





あのとき香水つけてる？って聞いたけど正直香水だとは思ってない





胡蝶さんがおれの横を通ったとき、ふわって微かに匂いがした





香水よりもっと内側から香ったような、そんな感じ





「孤爪」





「赤葦、いつからいたの」





「今来たとこ」





自販機でお茶を買った赤葦はおれの隣に立った





「・・・さっき、胡蝶さんと話した」





「胡蝶さんと？へぇ、」





「ペットボトル握りつぶしてた」





そう言うと赤葦は驚いたような顔をして、少し笑った





「なに、黒尾さんに続いて孤爪まで胡蝶さん怒らしたの？」





「違うよ、おれが話しかける前の話」





「なんだ、そういうこと」





あの子、ものに当たったりしなそうなのにね、と意外そうに言う赤葦





「・・・怒らせたっていうか、地雷踏んだかも」





ふとさっきのやり取りを思い出した





「地雷？」





「花の香りがしたから、香水つけてる？って聞いた」





「そんな匂いしたっけ」





「うん、少しだけ。そしたら柔軟剤ってごまかされた」





あの時、花の香りがしたといったとき一瞬胡蝶さんから笑顔が消えた





なにも映していないようなあの表情を思い出すと震えそうなくらいゾッとする





「柔軟剤なんて置いてないよね、ここ」





赤葦も気づいたらしく、なんで隠すんだろ、と考え出した





・・・やっぱり、不思議な人

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