探したよ､兄ちゃん(2)

70話 ページ25

-回想 九井一side-


天竺に誘拐された(言い方)


まず黒川Aに話しかけられた


『金を作る天才って呼ばれてるけどなんで金を作ろうと思ったの??』


赤音さんの為だ…


手術費を準備する為


赤音さんを救う為


頑張ったのに…


なのに…


赤音さんは死んじまった…


『そうなんだぁ…』


お前で言うイザナが全身やけどで金を払えなくって死んだってことだぞ??わかるか??


『つらいのは分かるけど行動の仕方がわかんないな』


大切な人を助ける為の行動だったのにか…??


『私だったら集中治療室だろうがなんだろうが押しかけて学校休んででもずっと一緒に､ずっと隣にいるかな､』


なんでだ??


帰ってきた答えに驚いた


『人はみんな不良品だからいつか壊れて死んでしまう。』


何を言いたい??


『神様は意地悪だよね｡綺麗な人を上に連れていくために地上にいる人を壊して自分の元へ連れていくんだよ…??でも神様は綺麗な人しか選ばない』


『早く死んでしまったということはそれだけ綺麗な人だったんだよ､赤音さんは』


『イヌピーだってきっと綺麗な人｡九井が神様から守ってあげたからイヌピーは生きてる』


言いたいことが分からない…


『つまりね､神に選ばれてしまったならその運命を帰ることは出来ないのだと思う｡出来ないとわかっているなら今できることをやる｡相手が望む最後を迎えさせてあげるの』


『キット兄ちゃんは最後まで一緒にいて欲しいって思う｡ああ見えて兄ちゃんって寂しがり屋なんだよ笑笑』


人のことをよく見てる…


イザナはただのシスコンだと思ってた…


こいつはすごいな…


好かれる理由がわかる


赤音さんの様な儚さや美しさはないけど


独特なカリスマ性とそれに反する無邪気さ､ひとを見る目に惹かれてしまいそうだ…


そして何より


なんでそんなに笑顔が似てるんだよっ…


思い出してしまう…


そして


余計に惹かれてしまう…


王として､異性として､


天竺の裏の王がAの理由がよく分かるよ…


赤音さん


オレは2度目の恋をしました


赤音さん一筋だと思っていたのに


赤音さん


上で見守ってて下さい


そしてそこでオレのことを待ってて下さい

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