7話 ページ8
｢A先輩も酷いっすよ〜！｣
｢へへっごめんってば〜｣
｢にしても乗ってくれるとはね、ちょっと面白かったよ｣
只今部活が終わり、ここ立海大付属のレギュラーだったらしい、皆と部室で少し話している。
と言うのも、あの後すぐにピアスは返してもらえたのだが、校門までの行き方が分からず、部活があと少しで終わるという事もあり、私は部活が終わるまで待っていたのだ。
いつもならそんな事は無いのだが、ここのテニス部の部員といると楽しいと思えたし、皆のしているテニスをもう少しだけ見たいと思ったので、大人しくまっていた。
宇宙人じゃないと分かると、切原くんのあの態度も戻り、普通に接してくれる。
｢このソファーふかふかなんだけど！｣
部室にあるソファーに座り、ふわふわと上下にはねる。
すると横から突然の衝突。
バランスを崩し倒れてしまった。
そして私の上にある重みは、切原赤也くんのもの、
すっかり懐かれてしまった。
肘を付いているが、切原くんは上に乗ったままで、押し倒されている、と言っても過言ではない。
｢切原くん重いんだけど〜？｣
と言うが退けてはくれない。
ほかの人たちは、ははっと笑ったり、見てもまたやってるよ、くらいで、助けてくれようとはしない。
助けてくれそうな柳生くんと真田くんは現在不在だ。トイレにでもいっているのだろう。
｢先輩ピアスしてるんすよね？｣
と言いながら私の髪の毛を耳にかける。
｢んｯ……｣
｢へ？｣
切原くんの手が耳にあたり、またも少し変な声が出てしまった。
立海レギュラー陣も何があったのかとこちらを向いている。
私の上に乗ったままの切原くんは少し間抜けな顔をして私を見下ろしている。
｢A先輩って、敏感なんすか？｣
切原くん。君は天然なのか馬鹿なのか？と問いたくなるような質問を投げかけられ、呆気にとられているとまた、耳を触られた。
｢ｯ！…切原くんやめて、退いて！｣
と、少し赤くなった顔を隠すしながら、少し威圧すると、しょんぼりしたように上から退いた。
その間にジャッカルくんは見てるのが恥ずかしくなって帰ったらしく、丸井くんもジャッカルくんを追いかけて帰ったようだった。
するとすぐに部室のドアが開き、真田くんと柳生くんが戻ってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ringo | 作成日時：2017年4月22日 21時
