4話 ページ5
張り切って教室を出たのはいいものの、私はこの学校に来たのは2回目で、学校の案内をされていないので、
今どこを歩いているか分からない。
氷帝にいた時もそうだったが、この学校もかなりでかい。
まぁ、つまりは、迷ってしまったのだ。
それに探すと言っても、真田くんが今日は部活を休んでいる可能性もある訳であって、見るかるものなのか……と悩むが、
机の横にテニスラケットが掛けてあるのを思い出し、テニスコートを探すことにした。
のだが、迷っているため、どこに何があるか分からない。
先程から既に10分間歩いているが、一向に見つかる気配はなく、校舎内でミーティングでもしているのではないか、と不安がよぎる。
そして不安ながらに歩いていると、目の前にキャーキャーと言う女子の集まりを目にした。
何事、と思いながら興味本位で近づき、中を覗くと、
テニスコート。
やっと見つけた！と言う喜びとともに、真田くんを目で探す。
するとＡコート、と書かれたコートで真田くんの姿を見つけ、
Ａコートの所に行った。
Ａコートのところに来ると、先程より少し人数が多く、更に声が大きい。
コート内を見ると、上手だなぁと言う思いとともに、懐かしいと言う思いが全身をつつんだ。
またやりたいなぁ。
なんて無理な話なのだが。
｢さーーなーーだーーくーーん！！！！！｣
昔の事を思い出し、過去を振り払うように、周りの女の子立ち寄りも、大きな声で真田くんを呼ぶ。
かなり大きかったのか、ABC…と並んでいるコートの半分の人がこちらを向いた。
それは一番近いコートにいた真田くんの耳には当然届いていて、真田くんもこちらを向いている。
こちらを見るとベンチに座っていた肩にジャージを羽織っている人に、少し話をすると、手招きをされた。
これは来いってこと？
勝手に解釈した私は、
横にあった扉から中に入った。
真田くんの元へ小走りで向かうと、同じＡコートにいた人たちがこちらを不思議そうに見ている。
｢真田くんピア｣
ピアス返して、という言葉は目の前にいる真田くんの声によってかき消された。
｢なんだその服装は！先程直したばかりではないか！｣
｢へ？｣
ピアス返してくれないの、と一瞬思ったが、先程ここへ来る前に、教室でスカートを短く折ってくるなどをした自分をうらむ
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作者名：Ringo | 作成日時：2017年4月22日 21時
