１話 ページ2
｢ん………｣
目が覚める
重たい体を起こし、目を擦りながら、頭上に置いてある時計を見て目を見開く
時計の針が指していたのは
｢11時3分?!?!｣
声に出すと更に焦りが生まれる。
ガッと雑に元の位置に戻し、
制服に急いで着替え、身支度を整える
その間約15分
我ながら早いと思う。
つま先をコンコンっとしながら茶色いローファーに足をいれる。
｢いってきます！｣
と、誰もいるはずのない家を飛び出し、
ピンク色の少し派手な自転車にまたがり、学校に向かった。
急いで出たのはいいものの、私は今日からこの学校に通う事になった転校生なのである。
自転車を置くところが分からずに、しばらく迷っていると、見知らぬ先生が教えてくれて、
｢遅刻者は遅刻カードを職員室まで取りに行くようにね｣
と言われたので、職員室で遅刻者カードをもらった。
この学校は一昨日が始業式だった様なのだが、どうせ転校してくるなら始業式から通いたかったな、
なんて思いながら歩いているとすぐに自分の教室についた。
普通なら３年生で転校なんてありえない話なのだが、
私は小さな頃に両親を事故で亡くし、
今まで親戚の家で住ませて貰っていたのだが、親戚の方が、海外へ仕事へ行かないと行けなくなったらしく、
一人暮らしをする事になり、心配だからと、おばあさんの家の近くにあるアパートに引っ越してきたのだ。
幸い私は氷帝学園に通っていたほどなので、
お金に困ってはいなかったから、アパートを借りるのにも、そう苦労はしなかった。
ガラガラっと音が鳴りドアを開くと教室の前側のドアだったようで、皆の顔が一気にこちらを向いた。
はずかしくて、癖で耳に髪の毛をかける。
｢遅れてすみません……｣
先生に遅刻カードを先生に渡す
｢次からは気をつけるようにね？｣
なんて優しい先生なんだ……！
とジーーンとしていると1人の……生徒…？が席を立った
｢遅刻とは、たるんどる！それになんだ！その服装は！もっときちんとしないか！！｣
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作者名：Ringo | 作成日時：2017年4月22日 21時
