度し難い彼に愛されたい！【蓮巳敬人】 (ページ15)

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はすみんのある日の憂鬱。ページ15

「A、何をしているんだ？」

ソファーでクリアファイルに缶バを付けていると牛乳が入ったコップを片手にはすみんが覗きに来た。

『痛バ作ってるの。』
「あぁ、最近流行っているな。
足りなかったら言ってくれ。俺の部屋にもあるからな。」

はすみんの部屋…？

『…言っとくけどはすみんの痛バじゃないからね』
「なっ俺じゃないだと！？どこの馬の骨だ！？」

てっきり自分の痛バを作ってくれていると勘違いしたのか缶バを付け終えたクリアファイルをはすみんに奪われる。

「何故英智なのだ！！」
『私英智さん推してるから』
「何故だ！！」
『何故って…。あの可愛らしい顔で結構えげつない事を言うギャップに惚れたの。
あぁ、後曲も好き。』

そう。はすみんは勿論好きだけど英智さんも好きなのだ。
何ならライブも何度か行かせてもらっている。
そんな事を知らないはすみんは結構ショックが大きかったのか、眉を下げてクリアファイルを返してきた。

「…この前アニメートに行ったら俺のグッズだけが売れ残っていた。」
『それは辛いね…』
「らしんだんにも行ったんだが俺のグッズが100円で売られていた。他のアイドルは最低300円からなのに。」
『何か…ごめんね』
「いや、良いんだ。気にしてなどいない。
…まぁたまたま一緒にいた三毛縞に「敬人さんは人気がないみたいだなあ！」と言われた事は気にしているがな。」

三毛縞さん…それは言っちゃダメだよ…。
せめてはすみんが居ない所で言おうよ…。

『で、でも1回抱き枕カバーの総選挙で9位だったじゃん！』
「あの時はな…。新ユニットが出てきてから紅月の人気は格段に下がったんだ…。
クソっ…。何がALKALOIDだ。Androidのパクリじゃないか…。」
『でもチャイナタウンのはすみんはレート高いよ！？』
「スチルによってレートは上下するんだ…。」
『まぁ…そうだね…。』

駄目だ。これ以上はすみんを元気づけられそうな事が見つからない…！！

『あえ…えっと…。そうそう！この前の新曲のいろは唄の衣装、お腹出してて凄いカッコよかったよ！』
「KnightsのMV見たか？アイツらは城だぞ。そして剣まで持っていた。」
『はすみんだって傘持てたじゃん！！』
「原価は向こうの方が高い」

そこまで悩んでたの！？
まぁ確かにKnightsはレートがバグってるけども…。

ど、どうしよう。励ます言葉…励ます…。

___『も、問題Knights！！』

「……」

そして私達の間に冷たい空気が流れた。