STORY.268 ページ39
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静寂な廊下では、まるでBGMのように外から観客の盛り上がる声だけが木霊している。
あまり普段は話さない切島と仲良くなりしばらくの間話し込んでいると、Aは少し考える素振りをして切島を見た。
「切島くんのその髪って、自分でセットしてるの？」
「おう！そうだぜ！」
太陽のような笑顔で答える切島の言葉に、Aは感心したように髪を見つめる。
癖がかった赤い髪は先が尖っており、綺麗に纏められている。見た所髪質は剛毛なので、そういう髪型にするのには向いているだろう。
だが実際入浴後とかはストレートになるタイプだ。その姿を想像するも上手く想像できず、Aは微かに笑みを溢す。
「ねえ切島くん、いつまでも苗字じゃ堅苦しいから、私の事はAでいいよ。私も下の名前で呼ぶし」
Aの提案に切島は目を見開くと、視線を彷徨かせて困ったように後頭部を掻いた。
その頬は僅かに朱色に染まっており、慣れていないのが見て取れる。
「…っ……な、何か女子を下の名前で呼ぶのって、すげえ照れくせえな…」
「そうかな？でもそっちの方が友達って感じがするよ、鋭児郎」
「っ！」
さりげなく下の名前で呼ばれ、切島の顔がみるみる赤くなっていく。耳まで赤く染まってしまったその顔に、Aは目を丸くした。
急速に早鐘を打つ心臓を必死に抑えようとするも、先程のAが呼んだ名前呼びが脳内をぐるぐると駆け巡り、あまりの羞恥心に切島はその場にしゃがみ込んだ。
あまりにも純情な反応にAは驚くも、少しおかしくなって笑ってしまう。
「無理して呼ばなくても良いよ。私は、鋭児郎と友達になりたいだけだから。友達だから強制的に名前を呼べって訳じゃないし…」
そう言って笑ったAを見つめ、切島は元気な笑顔を見せた。
「…俺も、Aと友達になりてえ！」
真っ直ぐと言った切島の言葉に嬉しくなって、Aは笑みを溢す。
雄英に入って初めて友達と呼べる男友達ができた気がする…と思いながら、Aは頬を緩めた。
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月神姫(プロフ) - コメントありがとうございます！そう言ってくれる人がいるだけでとても励みになります！これからも頑張ります！ (2019年3月13日 20時) (
レス) id: c244c7ed18 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - すごく面白いです！自分的にドストライクなお話です！これからも頑張って下さい！応援しています！ (2019年3月13日 20時) (レス) id: 4907f78f37 (このIDを非表示/違反報告)
月神姫(プロフ) - コメントありがとうございます！この作品を好きだと言ってもらえてとても嬉しいです！質問には質問コーナーで答えさせてもらいますね！ (2019年3月13日 20時) (レス) id: c244c7ed18 (このIDを非表示/違反報告)
凛☆(プロフ) - この作品すごく好きです！質問なんですが、緑谷くんや轟くん、かっちゃん以外の他のキャラとの絡みはあるんですか？ (2019年3月11日 7時) (レス) id: 01db61de35 (このIDを非表示/違反報告)
月神姫(プロフ) - コメントありがとうございます！そう言ってもらえるだけで頑張る気持ちが沸いてきます！期待に応えられるよう頑張らせてもらいますね！ (2019年3月10日 22時) (レス) id: c244c7ed18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月神姫 | 作成日時：2019年1月26日 18時
