STORY.145 ページ5
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「…Aは、何の個性なんだ？」
騒がしいバス内にAも釣られて笑っていると、隣で寝ていた筈の轟が問いを投げてきた。
唐突な質問に「え？」と目を丸くするAの瞳は、動揺を隠せず揺れている。
心臓がドクンと脈打ち、まるでお化け屋敷で驚かされる時のように体がひんやりとした。
暫くの沈黙の後、Aが口を開く。
「私の個性は、水を操る個性だよ。」
「そっちじゃねえ」
平然と言ったAの目を見つめ、轟はすぐに否定した。
轟の言葉に明らかな戸惑いを見せたAは、真っ直ぐな轟の瞳を見ていられず視線を外す。
「…そういえば、焦凍は知ってるんだっけ…」
「…詳しくは知らねえ。」
Aは俯くと、独り言のように小さく呟く。
轟も視線を外し、窓の方に視線を移して静かに目を伏せた。
「…別に、言いたくねえならいい。」
一言残し、轟はそのまま目を閉じて寝てしまう。
その寝顔を見つめ、Aは未だに鳴る心臓に手を当ててホッと安堵の溜め息を吐いた。
思わず冷や汗が流れてしまい、Aはそっと拭うと騒々しいバス内を見渡す。
あまりの騒がしさに相澤に怒られていて、最近よく見る光景にAは苦笑を溢した。
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月神姫(プロフ) - コメントありがとうございます！わざわざ教えてくださって助かります！ (2018年10月17日 17時) (
レス) id: c244c7ed18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみだいふく - 181脳無の的確な言葉となっています (2018年10月17日 16時) (レス) id: c11c7ecc8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月神姫 | 作成日時：2018年9月23日 20時
