STORY.178 ページ38
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重苦しい沈黙が続くなか、死柄木は唖然とするAを見つめると歪な瞳を光らせる。
口許に笑みを浮かべると、口を開いた。
「いや、正確には俺じゃない。俺は死にかけているお前の親に、トドメを刺しただけだ。そこまで追い詰めたのは、俺の先生だよ」
「……っ…先…生…？」
やっと発した声は、情けなくも震えている。Aの瞳は忙しなく揺れ、そこには大きな動揺と僅かな憤怒が宿っていた。
体の芯が凍ったような感覚に陥り、Aは死柄木を見つめたまま微動だにしない。
「先生はお前の個性を欲しがっていた。けどオールマイトがそれを邪魔したんだ。まあ、まさかあんなことがあってまだヒーローを目指してたのはさすがに驚いたけど、手間が省けたってもんだろ」
怪しく瞳を光らせた死柄木が、「脳無」と呼び掛ける。
敵の狙いがAだと分かると、皆Aを庇うように立ち臨戦態勢に入る。
「下がってろ」
前を向いて静かに言った勝己のいつになく真剣な顔に、Aは目を丸くした。
攻めてくる死柄木に、俊典が威圧する。
尋常じゃない気迫に押されて、死柄木が後退った。
脳無が目の前に立ちはだかりお互いの拳がぶつかり合う。
「ショック吸収って、さっき自分で言ってたじゃんか」
ショック吸収なのに何故拳でやり合うのかと聞いた死柄木に、「そうだな！」と俊典はあっさりと肯定した。
その瞬間、一気に強くなる拳の重さ。
物凄い力のぶつかり合いに、皆一歩後退った。
「真っ正面から殴り合い！？」
風圧に押されながらも、出久は理解できずに声を洩らす。
「無効ではなく吸収ならば、限度があるんじゃないか！？私対策！？私の100%を耐えるなら、さらに上から捩じ伏せよう！」
血を吐きながらも威厳を持った声で言う俊典に、Aが不安げに瞳を揺らす。
一発一発を100%以上の力で打つ俊典は、当に限界を越えている。
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月神姫(プロフ) - コメントありがとうございます！わざわざ教えてくださって助かります！ (2018年10月17日 17時) (
レス) id: c244c7ed18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみだいふく - 181脳無の的確な言葉となっています (2018年10月17日 16時) (レス) id: c11c7ecc8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月神姫 | 作成日時：2018年9月23日 20時
