STORY.174 ページ34
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格段に上がった戦力に、ずっと黙っていた死柄木が鬱陶しげに眉を潜めた。
「出入口を押さえられた…こりゃあ、ピンチだなあ…」
少し困ったように言った死柄木の横で、勝己が抑えた黒霧に馬乗りになっている。
余裕の表情を浮かべながら黒霧を見下ろすその瞳は、お世辞にもヒーローとは言えない。
「このウッカリヤローめ！やっぱ思った通りだ！」
床に押しつけながら声を上げた勝己が、笑みをより一層深くした。
「モヤ状のワープゲートになれる箇所は限られてる！そのモヤゲートで実体部分を覆ってたんだろ！？そうだろ！？全身モヤの物理無効人生なら、危ないっつー発想は出ねぇもんなあ！！」
じりじりと確信を付く勝己に、図星だったのか黒霧が「ぬぅっ…」と声を洩らすと動こうとする。
それを分かっていたように「っと、動くな！」と勝己は悪どい笑みを浮かべた。
「怪しい動きをしたと俺が判断したら、すぐ爆破する！」
「ヒーローらしからぬ言動…」
掌で爆破を起こして明らかな脅しをかける勝己に、切島が突っ込みを入れる。
それを横目にAは呆れの目で見ている。
「攻略された上に一人を抜いて全員ほぼ無傷。すごいなあ、最近の子どもは…恥ずかしくなってくるぜ、敵連合…！」
苛立ち気味に声を洩らした死柄木が、ゆっくりと視線を移して言った。
「脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入口の奪還だ」
今まで凍らされて動けなかった脳無が、ゆっくりと体を起こす。
轟に凍らされた部分はボロボロと落ちていくのに、それをけろりとした様子で気にも止めていない。
まるで、何の感情も持たない人形のようだ。
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月神姫(プロフ) - コメントありがとうございます！わざわざ教えてくださって助かります！ (2018年10月17日 17時) (
レス) id: c244c7ed18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみだいふく - 181脳無の的確な言葉となっています (2018年10月17日 16時) (レス) id: c11c7ecc8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月神姫 | 作成日時：2018年9月23日 20時
