STORY.152 ページ12
.
黒い霧が晴れて一番最初に視界一杯に広がった、水。
思わず目を見開いた出久は、何も出来ずに大きい音を立てて水の中へと投げ込まれる。
「わああ！？水難んん！！」
勢いよく水の中に落ちると、出久は水で霞む視界を何とか開けた。
だが目の前に写ったのは、醜い顔をした魚と人間が混合したような敵。
悪どい笑みを浮かべながら「来た来た」と言う敵に、出久は驚きで止めていた呼吸を一気に吐き出す。
「おめーに恨みはないけど、サイナラ！」
そう言うなりガパッと口を開いた敵は、どうやら出久を食べようとしているようだ。
目を見開いて、出久は焦りを露わにする。
だが敵の周りを突風のようなものが吹き、敵はその波に流されるように飛ばされていった。
状況を掴めていない出久を他所に、濡れている水色の髪を揺らすAが出久の手を掴んで陸へと上がっていく。
「ぷはっ！Aちゃん！？」
息を切らして肩を揺らす出久に、Aは照れ臭そうに頬を掻いて見せる。
「まさか、同じ所に飛ばされるなんて…」
ボソリと言ったAに続き、出久も先程必死になって手を伸ばした自分を思い出して、顔を真っ赤に染めた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月神姫(プロフ) - コメントありがとうございます！わざわざ教えてくださって助かります！ (2018年10月17日 17時) (
レス) id: c244c7ed18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみだいふく - 181脳無の的確な言葉となっています (2018年10月17日 16時) (レス) id: c11c7ecc8d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月神姫 | 作成日時：2018年9月23日 20時
