言い方【貴方side】 ページ40
ガイは舌打ちして、ユウちゃんを
冷たい瞳で見据えた。
ガイ「貴様、恐ろしくなったんだろう。
だから逃げ出したい。さっさと
元いた世界に戻りたいと思っている。
ぐだぐだと被害者ぶらず、
そう言えばいい」
ユウ「っ……！」
『ガイ、少し言い過ぎよ』
フェン「ユウちゃんは、責任を
感じてるんだよね」
リント「俺たちがドラゴンと戦ったの、
自分のせいだって思って
帰りたくなったの？」
フェンとリントの言葉に、
ユウちゃんは口をつぐんでしまった。
………きっと、彼女は優しすぎるのね。
優しすぎるから、余計に考えて、悩んで、
その末に自ら傷付いてしまう。
今だって、きっと心の中で自分で自分を
傷付けている。
その証拠に、ユウちゃんの目は
とても悲しげな色をしていた。
『……ユウちゃん…』
私がそっと頭を撫でると、ユウちゃんは
泣きそうな顔になる。
フェン「ユウちゃん、帰っちゃうの？」
ユウ「………もともと、此処は
私の居場所じゃないって感じています。
私が生きるのは、家族がいて、
生まれて育ってきた世界だけです」
ロイ「家族……そうですよね。
僕らにも家族がいるように、
ユウさんにも……
当然の事です」
トア「………」
ユウちゃんが此処から帰ってしまうと
なった時、寂しくないと言ったら嘘になる。
けれど、ユウちゃんの意思を無視して
自分の意見を通すなんて事は出来ない。
リント「でも、帰る方法ってあるの？」
ロイ「そもそもユウさんは、
一体どうやってこの世界に
来たんですか？」
ユウちゃんはその問いに対して、
力なく首を横に振った。
ユウ「方法とか理由を知るために、
学院長と話したいんです」
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