【灰羽ﾘｴ-ﾌ】ずっと【HQ】

29 ページ33

リエーフside

俺、Aのこと好きなのかな。

昼の休憩中、隣でせっせとノートを書くAを見て考えた。
ていうか、Aは俺のことどう思ってんだろ？なんか、人がどう思ってるのかって読み取るの難しい…

(うーん。だめだ。考えれば考えるほど分からない！)


…昨日ハグした時の感じが、まだ手に残ってる。
A、ひやっとして冷たかったなぁ。



「うわっ。何キモチワルイ手の動きしてんだ」
「え？あ、いやなんでもないです」
「お前…まだブロック飛べないどころかレシーブでさえヘッタクソなのに、トスあげようとか思ってないだろうな！？甘(あめ)ぇんだよ！」
「ちょ！！！ヤメテ夜久さん！！引っ張らないで！！！」
「おーおー、やっくん怒らせてら。」
「………下手くそは、事実」
「黒尾サン研磨サン、見てないで助けてくださいよおおお！」



- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

Aside

平静を装っているが、それどころではない。
もう、ボールを追っかけるリエーフを追っかけるので、心臓はバックバクなのだ。
部活だから、ちゃんとやらなきゃとか、フワフワしてる暇なんてないとか、
そんなこと、充分、わかっているんだけど…

そこに居るだけで圧を放つ長身、鞭のようにしなる腕、高い腰からすらりと伸びた長い足、光が反射した雪みたいな銀髪、そして見つめられると動けない、獅子の緑眼…

前はこんなじゃなかった。今はヘンだ。

…彼を見ても、こんなに胸が痛くならなかった。

30→←28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す