【灰羽ﾘｴ-ﾌ】ずっと【HQ】

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(やっぱ、すごい見られてるなあ…)

「1年5組の鈴乃です。今日は助っ人で来ました。中学の頃からバレー部に呼ばれることはあったので、ルールは分かります。じゃあ…よろしくお願いします」
「鈴乃さん、来てくれてありがとう！！
1人怪我しちゃってさ！すごく助かるよ！」
「あ…いえ。あたしなんかで役に立てるのなら、それはもう…」
「いやー、それにしてもおっきいねえ。助っ人じゃなく、もうウチに入ってほしーくらいだよ！」
「あはは…」

“大きい”…か。

あたしの、身長は170cm。
クラスにいると一際目立つ、この身長が、ずっとコンプレックスで…
すれ違う、自分より背の低い可愛らしい子を見ると、どうも心がキュッと締め付けられる。

だけどバスケでも、バレーでも、
運動部はあたしを助っ人として呼んでくれる。
頼ってくれる。嬉しいって心強いって、
喜んでくれる。
そんな時だけ、あたしは、
“ああ、大きくてもいいんだ。”
って、安心できるんだ。





「ごめん！！ボールそっち行った！！」
「あ、あたし取ってきます」
思わぬ方向へ飛んでいったボールは、仕切りのネットをくぐり抜け、体育館の外へと転がっていく。



(こんな遠くまで…)
ボールをようやく捕まえて、ちょっとため息をつく。
…ふと隣のコートを見ると、
そこには、男子バレー部の姿があった。

(うちの男子バレー部って、強い…んだよね？)
新聞でちょこっと見たことと、受験の時、お父さんが言っていたのを思い出す。

『なんか、音駒高校男子バレー部って、結構強いらしいよ』
『へえそうなんだ』

「…。」
あの時は、気にもとめなかったけど…
入学していざ実感してみると、なんだか不思議な気持ちになる…
好奇心に負けて、そーっとコートを覗く。
するとそこには、緊張感と共に、熱い空気が満ち満ちていた。

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