12 ページ14
「ねえ、ずっと付いててくれたの？」
「まーね！」
「あの…いろいろありがとう。って、さっきは言いそびれちゃって。…あと、運んで…くれたのも」
「いいっていいって！痛いのは楽になった？」
「うん！！灰羽くんのおかげ！」
「良かったー！マネージャー真っ青だったからちょー焦ったんだよ！」
「心配かけちゃったね。でもあたし、元気出てきた！」
とくん。とくん。
ふと、自分の心臓が音を立ててるのに気づいた。
なんだろ、この感じ。生理中特有の浮遊感とは、別の何か。どうして、灰羽くんがいると落ち着くんだろう…？
なんだか照れくさくなって黙っていると、部屋に沈黙が訪れる。黙り込む2人。
しかし先にそれを破ったのは灰羽くんだった。
「あのさ！」
「うん！？」
「その、マネージャー、Aって呼んじゃダメ？」
「え」
いきなりの発言に、肩がビクッと跳ね上がった。
…とても、混乱している。
「マネージャーマネージャーって、距離がある気がしてさ。もしよかったらなんだけど」
うそっ。どうしていきなり！？
少し照れくさい、だった気持ちが、一気に恥ずかしい、に変わっていく。
「いっ…いい、けど」
「ほんと！？ありがと！！！あのさあのさ！俺のことも、灰羽くんじゃなくてリエーフって呼んでよ！みんなそう言ってるし！」
「ええっ！」
「言って！」
「……リエーフくん」
「り、えー、ふ」
「………………リエーフっ」
「よっしゃーーっ！！んじゃ、これから改めてよろしくな！A！」
貧血がひどい…頭も、心臓も、目も、みんなぐらぐらしてる…
ちらりと灰羽くん…リエーフを見ると、子供みたいに嬉しそうな、キラキラした笑顔で、
「嬉しい」
そう呟いた。
どうしよう。
私、私、
この人が、好きになっちゃったかもしれない…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たかな(プロフ) - ライグリールさん» ありがとうございます！！ (2020年7月30日 6時) (
レス) id: 73a36fd221 (このIDを非表示/違反報告)
ライグリール - すごい…リエーフがかわいい…！おもしろかったです！ (2020年7月27日 21時) (レス) id: 10ffdced2d (このIDを非表示/違反報告)
たかな(プロフ) - 夜空さん» コメント、とっても嬉しいです！！読んでくれてありがとうございます！！！ (2020年2月21日 21時) (レス) id: 76ca1e95bd (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - すごく面白かったです。リエーフ君、カッコいいッ (2020年2月20日 19時) (レス) id: abc6410102 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：TANAKATUKI | 作成日時：2020年2月7日 3時
