売れ残りなんて言わないで

売れ残りなんて言わないで。 ページ49

・


JN「あ、ここなんてどう？」

「あ、ここは選べるドレスが多いんだって」

お互いパンフレットを見合う。

いいな、こういうの。





JN「ヤー、これとか絶対Aに似合うじゃん」


さされた指の先には、真っ白なウエディングドレスに小さなティアラ。


「わ、かわいい…」

自分が着る姿を想像して、ますます嬉しく、でもちょっぴり照れ臭い。

「あ、このタキシード！ジンに似合いそう！」

照れ隠しのために慌ててタキシードを指差す。

でもそれは本当にジンに似合いそうで。



JN「わ、ほんとだ。僕、ますますかっこよくなっちゃうな」

「あ、この式場は…」

JN「無視しないでよ⁉笑」

ふくれっ面をするジンに私は思わず爆笑。

それを見たジンも笑いだして、

結局お互いなかなか笑いが収まらなかった。




・


ﾋﾟｺﾝ

パンフレットを眺めていると、

鞄の中から、カトクの着信音が鳴る。



ふと目を向けると


”ジョングク先輩の連絡先、教えてくれませんか”

ナナちゃんからのメッセージだった。








ああ、全部がうまく行き過ぎてて、怖いくらい。


「わかった！」と送り、ジョングクの連絡祭を添付する。


JN「なんか良いことあったの？」


「うん！ちょっとね！」


ジンの腕に抱きつく。





30歳・私、Aは

これから第二の人生を始めます！


売れ残り、なんて言わせません！








大好きな人の腕の中で、


一人で誕生日ケーキを食べた自分に、


そう宣言したのだった。






Fin．

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