売れ残りなんて言わないで (ページ40)

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セカンド同士ですが何か？ページ40

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「私今日、安全日だけど？」

いや、何言ってんだ私。

離れてほしくなさに勢いで言ってしまったけど、

完璧爆弾発言だよね？

それ以上話す言葉が見つからずうつむく私に、

人は開けかけたドアを閉め、

ゆっくりと近づいてくる。

JN「ねえ、A？それって…こういうこと？」

ジンの手は私のブラウスにかかっている。

「そそそ、そういうことではなかろうか？」

またやってしまった。

このテンパると武士口調になる癖、

どうにかならんかな、なんて

どこかひどく冷静に自分に突っ込んでいる私が居る。

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JN「本当に大丈夫なんだね？」

押し倒しておきながら何を言っているのだ、この男は。

そう、下からジンを眺めて思った。

うん、と短く答えた時の自身の心臓音を、

私は一生忘れないだろう。

・・

「童貞じゃないんだね」

慣れた手付きとは言えないまでも、

おどおどしてるわけじゃなかったから。

JN「ん、まーね」

ムードも何もない会話だね、と笑いながら

短く答えるジン。

その答えを聞いて、少し切なくなる自分がいた。

JN「何、この年になって童貞、っていうのもそれはそれで悲しいでしょ」

「たしかにね」

30で童貞は妖精だ、などと言うジンに吹き出してしまう。

JN「それに、そちらさんだって処女じゃないでしょうよ」

「まあ、でも私はもはやセカンドヴァージンってやつだよ」

口をとがらすジンに反論する。

説明しよう。

セカンドヴァージンというのは、

”こういうこと”を長らくやっておらず、

もはや処女(ヴァージン)的な心理になっていることだ。

そもそも私は「元」旦那以外と致したことないし。

JN「あ、それは僕もだよ。セカンド…チェリー。」

なんかダサい、と言うジンにくすっと笑う。

JN「まあでも今、愛してるのはAだけだから。それで十分じゃない？」

「異議なし。」

そんな事を言うジンに深くにもキュンとした。

JN「まあ、セカンド同士楽しみましょうよ」

「そうですわね」

下から見てもイケメンで、

しかもこんなに優しくて、

あわよくば国内最大手のホテルの次期社長

なんていう男と情事に至るなんて想像もしてなかったけど。

こんな素敵な人と出会えるなら

婚活も捨てたもんじゃないな、と思ったのは

ジンには内緒にしておこう。

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