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即座に起き上がろうとすると、ガッ!!間髪入れずに頭を踏みつけられた。ビシ、と頭蓋骨が軋む。


次いで、呻く暇もなく手から刀を奪われる。


(なんだ、私を刺すのか?)

と、思ったのも束の間。次の瞬間、パキン(・・・)と小さな金属音が耳に届いた。


……刀が、折れる音だった。


「……ぁ、あぁ……」

折れた刀の破片が降り落ちてくる。こんな時だというのに月の光を反射する刀身は美しかった。

最後に柄と鍔だけになった刀が虚しい音を立てて地面に突き刺さる。

と、不意にドクリと心臓が大きく脈打った。

「……っ!?」

ドッと一気に疲労感や倦怠感が津波のごとく押し寄せてくる。鉛のように重くなる体、全身に大岩がのしかかったような感覚に指1本も動かない。

重力に押しつぶされ、強制的に肺から酸素が吐き出される。かひゅッと喉が鳴った。

かひゅッかひゅッと吐き出されるばかりで酸素を取り込めず、やがて頭がクラクラし始める。

(これ……黒狐銀さんが言ってたやつか……っ)

刀には負担を軽減する呪符が付与されていた。刀が折れたことでその反動が押し寄せてきたのだ。

「……っ」

(──“慈愛なる癒し”!)

治癒の呪符を発動させ、反動を相殺する。重力から解放された肺に酸素を必死になって取り込んだ。

「──はぁッ!はぁッはぁッはぁッはぁッ」


過呼吸気味に肩を上下させる癸七子。その頭を踏みつけている鬼舞辻は至極落ち着いた声で言葉を投げかけた。


「私の部下になれ、呪符師。その力を私のために使え」

「誰が手前ェなンかに……!鬼殺隊舐めンじゃねェ……!」

「そうか。──なら」

「……っ!?ぅ゙あ、ぁ゙ぐぅ!」

ぐいっ、と身体が引っ張られ背中が木に衝突し、大の字に広がった手足を木の枝で縫い止められる。

流れるようにボキ、と左手の親指を折られた。わずかに苦悶の声が漏れる。

止まることなく2本、3本と折られて激痛が身体中を満たした。

「〜〜ッ!!」

痛い。痛い。痛い。熱い。痛い。

のたうち回って痛みを逃がしたいのに、手足を動かせない。

(治癒の呪符を…………いや、残りの呪力もあと少し……逃げるためにも、無駄使いは、出来ない。)

「お前がその気なら私はお前が泣いて()るまで拷問してやろう。

ふっ、いつまでその態度をとっていられるか見物だな」

コキコキ、と自身の手の関節を鳴らしながら言葉を発する鬼舞辻。

(くそ、なにか……なにかないのか、この状況を脱する方法は……!)

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雛月りな(プロフ) - 白黒虎さん» わあああありがとうございます!今日中に更新出来ると思うので楽しみにしててください!応援ありがとうございます!! (2019年11月26日 12時) (レス) id: 6c5cdc2389 (このIDを非表示/違反報告)
白黒虎 - 早く続きが読みたいですが、出来るまで待ちます!!頑張ってください!!! (2019年11月26日 6時) (レス) id: 126a3885c8 (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - むいたん!さん» コそう言って頂けてすごく嬉しいですし、書く原動力になります!コツコツ更新できるように頑張ります。 (2019年11月24日 22時) (レス) id: 6c5cdc2389 (このIDを非表示/違反報告)
むいたん! - 内容が濃くて凄く面白いです!次の更新楽しみにしています!♪ (2019年11月24日 10時) (レス) id: 9146c62b5e (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが楽しみです!頑張ってください! (2019年10月3日 2時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛月りな | 作成日時:2019年9月29日 18時

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