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ページ32

ガッ!!

あらん限りの力で、鬼舞辻の肩を掴む。

奴は、ゆっくりとこちらへ振り向いた。


(こいつが!!)


「──!!」

コイツを──斬る!!!

日輪刀へ手を伸ばし抜刀する。

その、寸前。


「おとうさん」


幼い女の子の声が耳に届いた。

はっと肩を揺らし、気づく。

奴が、その女の子を胸に抱いていることに。

その女の子はまん丸な目に俺を映して、首を傾げる。


「だぁれ?」


「……!!」

ヒュッ──喉がなる。

その言葉に、底知れぬ驚きや怒り、不快感、苛立ち、憎しみ、数えきれない感情が背筋を駆け上がる。

ゾワゾワ──!!

(こいつ…………こいつ!!こいつ!!人間のふりをして暮らしているんだ!!)

「私には何か用ですか?随分慌てていらっしゃるようですが……」

「あら、どうしたの?」

「おかあさん」

そこへ、もう1人の女性の人間が現れる。


もう、荒れ狂う感情と信じられない光景に吐き気がしそうだった。


(知らないのか?わからないのか?こいつが、鬼だって、人を喰うって)


「お知り合い?」

女の人が、鬼舞辻に尋ねる。

「いいや、困ったことに少しも──……知らない子ですね」

何食わぬ顔でそう答える鬼舞辻。

「人違いでは」

──そう言って、背中で片手を隠しながら爪を伸ばし、

「ないでしょうか」

通りかかった人間の男に爪を突き立てる──

「……!!やめっ──」

遅れてそれに気づいて叫ぶが、間に合わな──






「──やっと捕まえた」






不意に凛とした声がして。

ぱし。

と。

鬼舞辻の──手首が掴まれた(・・・・)

掴んだのは、鬼舞辻に殺られそうになった男。

人間の限界を超えた速度(・・・・・)で鬼舞辻を、止めた。

「──」

その男は、冷徹な刃の如く鋭い瞳で鬼舞辻を睨んでいる。

「……ッ!?」

炭治郎は驚愕に目を見開かせた。

(鬼舞辻の動きを、止めた……!?な、なんだあの人の速さは……一般人じゃないぞ!

それに声もなんだか……)

目の前で起こっている光景が信じられず、自分でも嗅げるほど酷く動揺する。


対して、男は殺気立たせながら地を這うような声を放った。



「さあ、2年前(・・・)のリベンジマッチと行こうか──鬼舞辻無惨!!!」



瞬間、男の顔がジジっと音を立てて揺らめいた。

揺らめいた部分から、男の容姿が変化していった。

黒髪から白髪へ、

体が一回り小さくなり、

若草色の和服から黒の隊服へ。

そして、割れた硝子を彷彿とさせる羽織が現れる。

。→←。弐拾参.浅草血戦



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雛月りな(プロフ) - 白黒虎さん» わあああありがとうございます!今日中に更新出来ると思うので楽しみにしててください!応援ありがとうございます!! (2019年11月26日 12時) (レス) id: 6c5cdc2389 (このIDを非表示/違反報告)
白黒虎 - 早く続きが読みたいですが、出来るまで待ちます!!頑張ってください!!! (2019年11月26日 6時) (レス) id: 126a3885c8 (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - むいたん!さん» コそう言って頂けてすごく嬉しいですし、書く原動力になります!コツコツ更新できるように頑張ります。 (2019年11月24日 22時) (レス) id: 6c5cdc2389 (このIDを非表示/違反報告)
むいたん! - 内容が濃くて凄く面白いです!次の更新楽しみにしています!♪ (2019年11月24日 10時) (レス) id: 9146c62b5e (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが楽しみです!頑張ってください! (2019年10月3日 2時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛月りな | 作成日時:2019年9月29日 18時

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