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そう悟った癸七子は、ごくりと唾を呑み込んだ。

「最後に君の家と呪符師の関係だけど、俺の家は代々瞳原家の日輪刀に呪符を付与をしていたんだ。

どういう経緯で両家が関わりを持ったのかは不明だけどね」

「そうなんですか。……ちなみに師匠は知ってるの?」

と、問いかけてみれば堂々たる顔で、

「知るかンなこと。そもそもの話だなァ、なんかオレが当主になッてンが了承した覚えなンざ1度もねェし、そういッた歴史的背景には興味が湧かねェ」

と返された。

なにも知らない当主。流石師匠、としか言いようがなかった。

反対側では黒狐銀が呆れたため息を吐いていた。

「瞳原家の鬼殺隊士が使う鏡の呼吸……あれは体に絶大な負荷がかかるからね。その負荷を軽減する呪符と各々に合わせた呪符の付与を施していたらしい。

それだけじゃない、本家ともかなり密な交流(・・・・・・・)があったという記録が残っている。詳しいことは記されていなかったが、ただの仕事上の付き合いだけではなかっただろうね。

といってもそれは200年前の話。それ以降、君の家から鬼殺隊士は輩出されず、同じ時期に関係は薄れたが」

「200年前……」

「それが今再びこうして縁が結ばれるとは運命的……いや、呪われている(・・・・・・)ね」

はは、と小さく笑った黒狐銀は刀袋から取り出した日輪刀を癸七子へ手渡す。


癸七子は受け取った瞬間、ずしりとした重みが手に伝わり、しかしすぐに体に馴染んでいく感覚に高揚感に包まれた。

そろりと柄に手をかければ、程よい硬質感が手に伝わってくる。

「……っ!」

(なにこれ、まるで長年使ってきたかのように手に馴染む……)

「……すごい」

感嘆のため息とともに言葉がこぼれた。

その様子に満足気な色を見せる黒狐銀。

「さて、話は以上だ。日輪刀を抜いていいよ」


そう言われるや否や、「待て」をくらっていた犬のように飛びつくように鞘から刀を抜く。

すぐに刀身の根元からじわじわと透明な色へと染まっていくが、自作の短刀型の日輪刀で既にわかっていた事なのでこれといった感動はない。

そんなことより、黒狐銀さんの技術の高さにただただ圧倒していた。

(私の目だからこそよく分かる……。刀身に一切の凹凸(おうとつ)がない。それに、以前見た義勇さんの刀に引けを取らない強度……。

これ以上ない仕上がり、完璧だ)

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雛月りな(プロフ) - 白黒虎さん» わあああありがとうございます!今日中に更新出来ると思うので楽しみにしててください!応援ありがとうございます!! (2019年11月26日 12時) (レス) id: 6c5cdc2389 (このIDを非表示/違反報告)
白黒虎 - 早く続きが読みたいですが、出来るまで待ちます!!頑張ってください!!! (2019年11月26日 6時) (レス) id: 126a3885c8 (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - むいたん!さん» コそう言って頂けてすごく嬉しいですし、書く原動力になります!コツコツ更新できるように頑張ります。 (2019年11月24日 22時) (レス) id: 6c5cdc2389 (このIDを非表示/違反報告)
むいたん! - 内容が濃くて凄く面白いです!次の更新楽しみにしています!♪ (2019年11月24日 10時) (レス) id: 9146c62b5e (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが楽しみです!頑張ってください! (2019年10月3日 2時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛月りな | 作成日時:2019年9月29日 18時

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