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「ダメだって言ってもどうせあんたは行っちまうだろう。ならこっちが折れるしかないじゃないか。親を舐めんじゃないわよ」
あ、バレてたか。認めてくれなかったら手紙を書き残して勝手に旅に出ようと思ってたんだよね。それこそ勘当される覚悟で。
親不孝だけどみんなと一緒に戦うってなったらそうしないとみんなに追いつけないだろうから。
ごめんねお母さん。
ありがとう。
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そうと決まったら、早速準備だ。正直旅ってなにが必要なのかよく分からなかったからお母さんと一緒に準備した。
その際、母が
いや、なんで刀あんの。この家。
すると母曰く、瞳原家は今は違うものの、昔は鬼殺隊士を輩出する一族だったそうだ。
うわあなにソレェ……ハジメテ聞いたぁ……
なんでも代々瞳原家の者はそれはそれは目が良く、それを活かした呼吸で柱まで昇りつめ……そうだったとか。
いやなってないんかーい。
ずるっと肩がずり落ちた。
その呼吸は、鏡の呼吸、と言うらしい。今は伝承が途絶えてしまい指南書も残ってないらしく、どんな呼吸かは不明だが、驚異的な威力を発揮することから別名・略奪の呼吸とも呼ばれていたらしい。一気に物騒になったな。
なに盗み働いてんの?ウチのご先祖。
で、その盗っ人ご先祖様が代々受け継いできたのがこの刀らしい。不名誉感ハンパねぇ。
それでも日輪刀なのでありがたく受け取る。重い。
日輪刀は色変わりの刀。既にご先祖様が触ったからもう変わることは無いけど、どんな色なのかすごく気になってためしに刀を抜いてみた。
「え……
その刀は、透明だった。刀を透かして奥の景色が見える。まるで硝子だ。
刀を傾けてみればキラリと光が反射する。
そういえば、と母が言う。
「瞳原家の鬼殺隊士の刀は透明だって言ってたねえ」
「へぇ……なんかすぐ折れそう」
「大丈夫だよ。今まで折れてないんだから」
「そうだけどさ。なんか不安だなあ」
そうして夜を迎える。今日の夕飯は旅立つ前日ともあって腕によりをかけてくれた豪華な食事。ふんだんにわたしの好きな料理を作ってくれた。
母は終始笑顔だった。覚悟決めたんならそれを成し遂げるまで帰ってくんなって背中を押してくれた。
すごく嬉しくて、泣きそうになった。
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そして旅立ちの日を迎える。
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雛月りな(プロフ) - 華さん» コメありがとうございます!自分でもこんなに手の込んだ展開が書けるとは思っていませんでした笑。(こっからネタバレかも→)まだ伏線回収がなっていないものがあるので楽しみにしていてくださいね!…皆さんが受け入れてくれる内容かは不安があるんですけど、アハハ (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - noiseーノイズさん» 主人公ちゃん可愛い雰囲気出てましたか!?いつも「口調悪い……もっと可愛くしたい……」と思いながら書いていたので、noise-ノイズさん(名前合ってますか?)のコメント嬉しさ半分と驚き半分で読ませて頂きました!バトル楽しんで頂けて良かったです!! (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - ひにゃたこさん» ありがとうございます!これからも神でいられるように頑張ります笑。嬉しいコメントありがとうございます!! (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
華 - 凄いしか出てきません!!とても面白い展開で、ワクワクしながら見させて頂きました!!大好きです!!これからも頑張って下さい!!応援してます!! (2019年8月17日 3時) (レス) id: 2aa6dd9a8d (このIDを非表示/違反報告)
noiseーノイズ(プロフ) - よ、読みやすいっ.....!主人公ちゃん口調とか可愛い雰囲気を感じるのに物語はすっごいバトルですね!いやぁー読んでて楽しいです!更新頑張ってください! (2019年8月17日 1時) (レス) id: c4f6a2aaa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛月りな | 作成日時:2019年8月5日 18時