。玖.残酷 ページ41
その度に蜘蛛の糸が肉にくい込んできた。
「〜〜ッ!!」
ぐらぐら
ぐらぐら
視界が赤と黒に代わる代わる染まり、気がどうにかなりそうな片隅で鬼が
「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァ――――」
意識が遠のいていく。
失神じゃない。
一度意識を手放したら、もう永遠には戻ってこれない。
だめだ。絶対だめ。
意識を
手放しちゃ、だめ。
だめ、だめだめだめだめだめ――――――
「ァァ……ァ、ァ――――――――ぁ………………」
「――――起きなァ嬢ちゃんッッ!!」
――誰かの声がこの場に轟いた。
――――(↓玖話目)
「――ぇ、あ…………?」
幻聴だろうか。
この場の3人以外の声が、聴こえた。
(だれ……?ぎゆーさん…………?)
もう視界には何も映らない。
(あ、でも声も口調もちがうや……)
「――“藤幻繚乱”」
また聞こえた。
なにかの……技名……?
凛とした声でその言葉が発せられると、ふわりとなにかの匂いが鼻をかすめた。
(花の香り……なんの花……?)
スパン
「……っ!?」
なにか斬れる音がしたそのとき、浮遊感が生じ、すぐに重力に従って落下する。
(ひぇっ……!?)
驚いたのも
「おい嬢ちゃん大丈夫、ではねェな」
声を掛けられる。
「だ、れ、……ごはっ」
「あァ声出すな出すな。死ぬぞ」
ぶっきらぼうな口調でそう言った誰かは、私をどこかの木の根元に下ろすと、ぶつぶつとなにかを呟き、瞬間、
体内で動き回っていた
驚く私に対し、声の主はまた何か呟く。
「――“天恵万癒”」
刹那、身体中の痛みが消えて、視界も回復した。
「んなっ……!?」
声も出るようになった。
再び見えるようになった目で自分の体を見て、再び驚愕した。
「
全て、塞がっている。
傷跡もない。
(一体……なにが起こったの……?)
驚きが隠せない中、横へ視線を映すと、そこには有り得ない光景が広がっていた。
藤の花が一面に咲き乱れていた。
しかも、
それはまるで
「あんな状態でよく生きてたなァ、嬢ちゃん」
「……!」
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雛月りな(プロフ) - 華さん» コメありがとうございます!自分でもこんなに手の込んだ展開が書けるとは思っていませんでした笑。(こっからネタバレかも→)まだ伏線回収がなっていないものがあるので楽しみにしていてくださいね!…皆さんが受け入れてくれる内容かは不安があるんですけど、アハハ (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - noiseーノイズさん» 主人公ちゃん可愛い雰囲気出てましたか!?いつも「口調悪い……もっと可愛くしたい……」と思いながら書いていたので、noise-ノイズさん(名前合ってますか?)のコメント嬉しさ半分と驚き半分で読ませて頂きました!バトル楽しんで頂けて良かったです!! (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - ひにゃたこさん» ありがとうございます!これからも神でいられるように頑張ります笑。嬉しいコメントありがとうございます!! (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
華 - 凄いしか出てきません!!とても面白い展開で、ワクワクしながら見させて頂きました!!大好きです!!これからも頑張って下さい!!応援してます!! (2019年8月17日 3時) (レス) id: 2aa6dd9a8d (このIDを非表示/違反報告)
noiseーノイズ(プロフ) - よ、読みやすいっ.....!主人公ちゃん口調とか可愛い雰囲気を感じるのに物語はすっごいバトルですね!いやぁー読んでて楽しいです!更新頑張ってください! (2019年8月17日 1時) (レス) id: c4f6a2aaa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛月りな | 作成日時:2019年8月5日 18時