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だけど1人では阻止できない。協力者が必要です。
協力者にあなたを選んだ理由は他にもありますが、一番の理由は私と面識があって最も頼れる人が義勇さん以外に考えられなかったからです。
協力をギリギリまでお願いしなかったのは、不審な行動が奴に勘付かれたら更なる悲劇が引き起こされることを
義勇さん、身勝手なお願いとは承知しています。
今どのくらいの時間が稼げているのかは分かりませんが……まだ助けられる可能性が残っているんです。どうか――」
続きの言葉を紡ごうとする寸前、義勇さんが手を前に出して真剣な表情で割り込んできた。
「それを承知しているから俺はここにいる。お前は俺に命令すればいい」
「……協力、感謝します。
義勇さんにはある家族の避難誘導をお願いします。疾風が案内します。出来るだけその場から離れるように誘導してください。
私はその周囲を見張って適宜指示と敵の足止めをします。
確実な連絡手段として義勇さんの鎹鴉を貸してください」
「承知した」
「それともうひとつ。今ここで水の呼吸 拾ノ型 生々流転を見せて欲しいんです。
「……出来るのか?」
「
疑う義勇に対して、有無を言わせない口調で言い放つ癸七子。
(嘘はついていない、か)
と、義勇は疑うのを止め、刀を抜いた。
「……拾壱だ。水の呼吸は現在拾壱まで存在する。俺が編み出した」
「……そんなのアリですか。あ、いえ、なら2つ見せて貰っていいですか?」
「ああ」
短く答えて、はじめに拾ノ型の姿勢をとった。
すう――息を吸うと、同時に後ろで異質な呼吸が聞こえた。
癸七子の呼吸音だ。
なんだ、この呼吸音は。
その呼吸音に呼応して「
頭のてっぺんから足の爪先まで、心臓の拍動に至るまで見られている感覚――
視られている感覚を感じながら、俺は型を放った
.
(――来る)
義勇が動き出す寸前、癸七子も鏡の呼吸 壱ノ型を使った。
――水の呼吸 拾ノ型 生々流転
――鏡の呼吸 壱ノ型 映し鏡
これは、略奪の呼吸と呼ばれる代名詞と言える型。
視力を強化した呼吸で、相手のどんな動きでも筋肉の動き1ミリ単位まで見切り、相手の技を会得する技。
義勇は流れるように次の技を放つ。
癸七子も再度同じ型を使う。
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雛月りな(プロフ) - 華さん» コメありがとうございます!自分でもこんなに手の込んだ展開が書けるとは思っていませんでした笑。(こっからネタバレかも→)まだ伏線回収がなっていないものがあるので楽しみにしていてくださいね!…皆さんが受け入れてくれる内容かは不安があるんですけど、アハハ (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - noiseーノイズさん» 主人公ちゃん可愛い雰囲気出てましたか!?いつも「口調悪い……もっと可愛くしたい……」と思いながら書いていたので、noise-ノイズさん(名前合ってますか?)のコメント嬉しさ半分と驚き半分で読ませて頂きました!バトル楽しんで頂けて良かったです!! (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - ひにゃたこさん» ありがとうございます!これからも神でいられるように頑張ります笑。嬉しいコメントありがとうございます!! (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
華 - 凄いしか出てきません!!とても面白い展開で、ワクワクしながら見させて頂きました!!大好きです!!これからも頑張って下さい!!応援してます!! (2019年8月17日 3時) (レス) id: 2aa6dd9a8d (このIDを非表示/違反報告)
noiseーノイズ(プロフ) - よ、読みやすいっ.....!主人公ちゃん口調とか可愛い雰囲気を感じるのに物語はすっごいバトルですね!いやぁー読んでて楽しいです!更新頑張ってください! (2019年8月17日 1時) (レス) id: c4f6a2aaa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛月りな | 作成日時:2019年8月5日 18時