女だけど真選組総長やってますが何か？ ６

持ち物は ページ39

――一方，Aside


『はぁ？転海屋についての資料が一個もないだぁ？』

「は、はい…。すいません…」

こりゃとんだ誤算だったなと頭を抱えた

屯所に戻ってすぐ、資料室に籠もって最近の不正取引に関する情報を漁ってかれこれ30分

転海屋の取引現場に一人でも乗り込んでやろうかと考えた私だった。

……が、完全に真選組内部にも報告なしの極秘扱い

土方のヤツ、マジでこの件を私達に関わらせないつもりだな

さて、どうすっかなぁ……


『……ヨシ。ちょっと土方ンとこの部屋覗くいてくるワ』

「ちょっ、総長ぉ！！それは流石に副長に怒られますってば！
ちょっとぉ！？？」

『んだよ。アイツに限って別にやましい事あるわけじゃないだろ？
布団の下にｱｯﾊ〜ﾝ♡な本隠してたり、押入れの中にｳｯﾌ〜ﾝ♡なポスター貼ったりしてないだろ別に』

「やめてぇぇ！男の部屋入る前から風評被害広がるような事言うのやめてぇぇぇ！！」

原田「総長ーーー！！！」


ギャーギャー土方の部屋ヘ向かう私を止める部下を引きずりながら資料室を出れば、向こう側の通路から息をきらしながら向かってくる原田

私の姿を見つけるや否や猛ダッシュで駆け寄ってきた

いや、顔怖。


原田「総長！探しましたよ、いったい何処行ってたんスか！」

『何処って、資料室だけど』

原田「そうだけどそうじゃなくって…！
いや、こんな茶番してる場合じゃなくて、ミツバさんが…！！」

『………まじかよ』


原田からの伝言を驚きながらも静かに聞き入れる

なるほど、ミツバさんの容態が急変……。
出来る処置は全て施すらしいが恐らく、もう……。

家族の方はそれ相応の覚悟を………。



『……状況はよくわかった。既に総悟と近藤は病院に。
んで、土方は？』

原田「それが、昼間から姿が見当たらなくて…」

「なんてこった……。とりあえず俺らも向かいましょう。
総長もボーッとしてないで早くいきますよ。ほら早く」


いそいそとパトカーに乗り込もうとする二人に手を引っ張られるが、やんわりと制止すると、当たり前だが不思議そうな顔をされた

原田「総長？」

『え、あー？その、なんつーか、持ち物が揃ってねぇつか。とにかく、後から行くから先行ってて』

「もー！早く病院来てくださいね！」


釘を指してくる部下に適当に返事して二人を見送る

さて、持ち物は転海屋の取引に関する資料、バズーカ含めありったけの武器、パトカー、

それから―――


『蔵場当馬、彼奴を斬る覚悟だ』

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