女だけど真選組総長やってますが何か？ ４

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紙や木が焦げた匂いを発する副長室
土方によってきちんと整理されていたその部屋はものの数秒で無惨な姿に変わり果てた


焼け焦げになった書類の山は花のように落ちては舞ってを繰り返している




『·····。
総悟、やっぱりテメェの仕業か。
書類にあれ書いたのお前だろ』



沖田「あり、バレてやしたか。
Aさんなら土方の事上手く引きつけてくれると信じてやしたぜ」




『巫山戯んな、テメェのせいでとんだとばっちり受けたじゃねーか。

どう落とし前をつけるつもりだ？』



沖田「落とし前なら土方の首で――――――



土方「総悟ォォォ！！！」·····チッ」



長い沈黙を打ち切り話題を変えた私だったが、会話は土方の怒号によって途絶えた

咄嗟に盾にしたらしい焼けた本棚の下から這い上がって来る様子は地獄からよじ登ってくる鬼そのものだ





沖田「まだ生きてやしたか土方さん。
案外しぶてーな」



土方「テｯメェ····！
今日という今日は絶対ェ扱いてやるァァァ！！」




舞い上がった書類の紙吹雪を煙幕のように使って廊下ヘ逃げる総悟と、鞘から抜いた剣を持って追いかける土方


廊下の奥へと消えていく二人の背中にため息をつくと、私も逃げたほうが良いのではないかと思いつく


今は怒りの矛先が総悟に向いているけど、いつその矛先が私に向いてくるか分からない

そうなる前に、と鬼ごっこしている二人にバレないようにそっと外へ出た















＿

＿＿＿

＿＿＿＿＿＿





『女将さ〜ん、今日は花見団子ね』



「いらっしゃ·····て、またアンタかい。
今度は何をやらかしたんだい？」



『ねぇなんで私がやらかした前提なの？？』



何かあったときによく来る甘味処兼避難所

この甘味処は常連さんか偶々通りかかった旅人しか知らないような絶好の穴場


総悟にすら教えていないこの私の憩いの場は、真選組が江戸に来た頃に見つけてからずっと通ってるため、女将さんとも仲が良くなった


これも挨拶の一環だ········、よね？？





『そういや女将さん、最近痩せた？
また綺麗になったよね』



「もうっ、おだてたって何も出ないわよっ！
今日は美味しいどら焼き出来たから食べてってね」



わぁ〜い、と言いながらふかふかのどら焼きを頬張る
何も出ないわよって言いながらも出してくれる女将さんにはとても感謝する


絶対総悟なんかにこの場を教えてやるもんか。

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