気弱なエース ページ23
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旭「Aちゃん……だっけ？
よく排球部見学しに来てくれるって子だよね」
『…まぁ…はい』
放課後、図書室前で旭さんと会った私。
ちょっとしたグダグダに時間を費やしてしまった後、”何やってんだろう…“と我に返った私達は図書室で一息ついた。
背の高さを活かして、本棚の一番上の書物を取っていた旭さんは私を振り返って首を傾げた
旭「今日は“あの二人”と一緒じゃないんだ？
あの一年二人とは友達？」
『わっ、私が友達名乗るとか恐れ多過ぎます…。
影山さんとは殆ど関わりないですし…、翔陽とはただの幼馴染で……』
旭「翔陽って？」
『あ、オレンジ頭の方です』
翔陽の特徴を付け足せば、“あー、あいつかぁ”と天井を仰ぐ旭さん。
何かを思い出すように黙る旭さんの頭には、ピョコピョコ跳ねながらやたらデカい声で話す翔陽が浮かんでるんだろうなぁ……。とか考えた
『そういえば、今日も三学年の教室に行くって言ってました。
……翔陽に何か言われましたか？』
旭「あー、うん。二、三年生が元気ないから戻ってきて欲しいって…。
俺、気が小さい癖に図体だけはデカいし。
それなりに3枚ブロックと戦って来たし、ブロックに捕まったことは多いけどスパイクを決められた事だって沢山あるから。
“だから皆、旭さんをエースって呼ぶんだ！”だなんて。排球部入って間もない一年生に言われちゃったなぁ」
面目ないとでも言うように、笑って後頭部を掻く旭さん。
図書室に静かに響く乾いた笑い声は、はぁー…と長いため息で締め括られ、旭さんの顔にｽｯと影がかかる
旭「……でも、俺にはもう見えないんだ…。
高いブロックを目の前にして、それを撃ち抜くイメージが。
どこかで失敗する未来にビビって、逃げ腰になった俺を、誰がエースだなんて呼ぶんだろうって」
『…』
悔しそうに呟く旭さんの顔をチラリと伺って見る。
歯を食い縛って涙を堪えてるようです…。
旭さんの手元に視線を移すと、その手に握られてる本がギチギチと悲鳴を上げてる。
腕に血管が浮かんでる……リンゴ握り潰せるんじゃ……
旭「あの…Aちゃん」
『ぇｯ、はぃ…！』
悲鳴を上げてる本と、血管の浮いてる旭さんの腕を交互に見てると旭さんに呼ばれた
反射でシャキッと姿勢を正して旭さんに向き直る
“そんな改まらなくても…”と苦笑いを浮かべた旭さんは、右頬を軽く掻くと自嘲気味に目を逸らして訪ねてきた
旭「エースって……なんだろうね」
って。
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しおさば(プロフ) - 大好きですこの作品、、、！続き楽しみにしてます！ (1月22日 11時) (
レス) @page39 id: e2a581894c (このIDを非表示/違反報告)
バナナ(プロフ) - TENSIさん» 初めてのコメント…！そんな大切なものをこんな駄作者にしてくださるなんて…！更新共に返信も遅くなってごめんなさい！あたたかいコメントありがとうございます！ (1月21日 21時) (レス) id: 25349aa23d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ(プロフ) - れなさん» 返信、長らくおまたせいたしました！今もこの作品を見てくださっているかは分かりませんが、これからも応援してくれると励ましになります！コメントありがとうございます。 (1月21日 21時) (レス) @page37 id: 25349aa23d (このIDを非表示/違反報告)
TENSI(プロフ) - 初めてのコメント、失礼します！主人公が自然に作品に違和感なく溶け込めていて、飽きずに読み進める事が出来ました！面白すぎですーっ更新楽しみに待ってます！ (10月5日 13時) (レス) id: 7e7c0fa434 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 終わりになってるけど良ければ続きみたいし、欲を言えば西谷との絡みもっとみたいです、、完結までついて行かせてください！ (6月9日 4時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バナナ | 作成日時：2022年8月9日 12時
