4 ページ4
-
向かった先は、ジュエリーショップ。
自分でもくさいかな、なんて思ったけれどやっぱりこれしかないと思った。
＜いらっしゃいませ＞
「彼女に合うリングを、
………その、男避けになるような、」
『紫耀っ、』
＜ふふ、彼女さんとっても可愛いらしいですもんね。かしこまりました。
……でしたら、ペアリングにされてはいかがですか？＞
店員さんがいくつか候補を用意してくれている間に、俺の袖を引っ張りながら小声で遠慮する彼女。
それでも、戻って来た店員さんが次々と候補を出してくれる中で、
あるリングに彼女が目を輝かせたのを俺は見逃さなかった。
『可愛い……………！』
「これ？」
それは至ってシンプルなデザインで、シルバーのリングに小さな宝石が一つだけあしらわれたものだった。
「これ、ください」
『ちょっと紫耀？！』
まだ遠慮している彼女をよそに会計を済ませると、
ケースだけ袋に入れてもらってリングはそのまま彼女の右手薬指に通す。
「…左手のは、もうちょっと待っててな？」
今にも泣きそうになりながら喜ぶ彼女と、
自分の右手薬指に光るお揃いのリングを見比べて思わず頬が緩んだ。
店を出ると日も落ち始めていて、
そろそろレストランに向かおうと駐車場へ歩き出した。
『ねえ紫耀！見て！1番星！』
「さすがにまだ見えんやろ？(笑)」
『見えたもん！ほらあそこ！』
「どこやねん(笑)」
そんな他愛もない話をしていたその時。
『あれっ』
「どうしたん？」
『ハンカチが無い………さっきのお店に忘れて来ちゃったかなあ』
「なら取りに行こか」
『ううんいいよ、紫耀はここで待ってて！すぐ取ってくる！』
そう言って小走りで来た道を戻る彼女を見送ると、
このショッピングモールのシンボルにもなっている噴水の淵に腰を下ろす。
近づいている夏を感じさせるような少し暖かい風とその噴水が、妙に心地よくて目を細めた。
-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彩(プロフ) - タカハシ カエデさん» Twitterの方も読んでたんですがこっちでまた改めて見れて嬉しかったです！ (2017年7月24日 1時) (
レス) id: 3dc8b0cee7 (このIDを非表示/違反報告)
タカハシ カエデ(プロフ) - 彩さん» 彩さんこんばんは！返信がうまくできているか不安なのですが大丈夫でしょうか………。（笑）早速読んでいただいてありがとうございます…！当初は書く予定の無かった描写なのですが、そう言って頂けると嬉しいです！ありがとうございます(*^^*) (2017年7月24日 1時) (レス) id: 6e4b3315ca (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - こんばんは！早速読ませて貰いました！2ページ分増えていて嬉しかったです！紫耀くんの涙が減って少しずつ前を向いて元の笑顔に戻る日がいつか来るんだな！と思うとホッとしました(笑) (2017年7月24日 1時) (レス) id: 3dc8b0cee7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：タカハシ カエデ | 作成日時：2017年7月23日 22時
