第四十三話 暗い過去 ページ6
陽咲を連れてきてそろそろ一週間が経つ
いつものように朝、ご飯を持って行って他愛もないことを話し食べ終わった器を下げる
貴「じゃ、寺子屋の昼休みになったらまた来るね」
そう言って立ち上がった いや、立ち上がろうとした
陽「待って!」
声を上げ、陽咲が私の裾を引っ張った
正直驚いた
私は座り直して、持っていた食器を隣に置く
陽「話さないといけないことがある…」
陽咲はゆっくり自分の過去を話し始めた
陽「最初は普通の家庭だったんだ…
僕の家 お父さんいてお母さんがいて僕がいて、僕は少し体が弱かったけど幸せに暮らしていた
けど、僕が4歳くらいの時から何故かお父さんとお母さんがよく喧嘩するようになった
なんか、お父さんが他の女の人と関係をつくったらしかった
それで、お父さんとお母さんは離婚した…」
陽咲は目を伏せて悲しそうに言葉を続ける
陽「僕はお母さんの方について行ったんだけどね、お母さん離婚したのが後からじわじわ来たらしくってお酒を、よく飲むようになったんだ
僕は何もできなかった、多分そうなったのは離婚しただけじゃなくて僕がいたのが原因だったから、
僕が熱ばっか出してお母さん疲れちゃったんだよ、それからねお母さん、男をよく連れ込んでくるようになった
2年前に結婚して、お母さん幸せそうだったんだ その結婚した男の人との間にも子供ができた それから、僕へ暴力を振るうようになった…」
陽咲の目から涙が溢れ出す 声が震えている
陽「しょうがないよね、僕はお母さんが最初に結婚してた僕のお父さんと、血が、繋がっちゃってるんだもん
憎らしくなるのもしょうがないと…思うんだ、僕がいるとお母さんは幸せを掴めないんだ
それで…それでね、その暴力が最近ひどくなって…」
陽咲のすすり泣く声が部屋に響く
貴「…もう、大丈夫だよ、話してくれてありがとう…
もう自分を責める必要なんて、一つもないんだよ、陽咲
人は完璧な生き物じゃなくてね、弱いところもあるし強いところもある、陽咲のお母さんも陽咲が嫌いだったわけじゃないと私は思うんだ
その場にいなかった私が言うのも変なんだけど、きっとね…陽咲が嫌いだったわけじゃなくて、お母さんも弱いところが出ちゃっただけなんだよ、だからそんなに苦しまなくてもいいんだよ」
陽咲が元気になったらたくさん遊ぼう 辛い過去を忘れてしまうくらいに
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羅李奏(プロフ) - すごく面白いすね!もう更新しないんですか?つづき気になります!!頑張ってください^ ^ (2016年6月5日 9時) (レス) id: c917f4b407 (このIDを非表示/違反報告)
yuri48(プロフ) - 鈴城零さん» コメントありがとうございます!冬休みに入って暇なのでガンガン更新していくので見守っていてくれると嬉しいです 沖田を出したくて掛け持ちしてしましたがそちらもよろしくお願いします (2015年12月29日 0時) (レス) id: ef2d5b94c1 (このIDを非表示/違反報告)
鈴城零 - 面白かったです!早く沖田出ないかな…楽しみにしてます! (2015年12月28日 15時) (レス) id: 07dcd6c6d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yuri48 | 作成日時:2015年12月21日 17時