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Aside
玲於｢今日の音楽、あれAのでしょ｣
電車に揺られながら携帯を見つめる玲於が
急に顔を上げてそう言った。
｢うん、そう。｣
玲於｢好きだよな、あれ｣
｢そうだね笑｣
玲於｢飽きるほど聞いたわ｣
｢白濱先輩はいいねって言ってくれた｣
玲於｢ふうん｣
玲於は、白濱先輩の話をすると途端に興味を無くす。
いつもこう。
2人に接点は無さそうだし
特に嫌っているという訳でも無さそうだから
こうやって、玲於が興味を無くしたってわかった時はテキトーに流す。
玲於｢…今度俺のCD持ってくから流してよ｣
｢うん、いいよ｣
玲於｢白濱先輩には好かれねぇかもな笑｣
｢あ、あれでしょ。エックス！！ってやつ｣
玲於｢ふっ、そうそれ笑｣
｢白濱先輩、意外と好きかもよ笑｣
玲於｢どうだろうな笑｣
電車の中はあまり人は多くなくて静かだった。
声を小さくして笑う玲於の顔は小さい頃から変わんなくて、
笑うと見える八重歯とか、
角度を変える眉毛とか、
全部変わんなくて、
でもたぶんそれは私も同じで変わってなくて、
そんな、言葉で表すのが難しくなるこの感じ
幼なじみって実感しちゃうこの感じ
心地いいのにやっぱり少しだけ胸が痛かった。
好きって伝えたかった。
・
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作者名：夢衣 | 作成日時：2021年2月3日 10時
