・ ページ13
｢なんでその人の墓に……まさかお前……｣
｢きゅえ……｣
ゾムがこちらに近づいてくる。
フードのせいで顔がよく見えない。やばい。バレた?えっなに怖い。
Aの頭と目がぐるぐると回る。ゾムはAの前まで来ると、しゃがみ、目線を合わせる。
｢この人の親戚?｣
｢えっ。あっ。そう!叔母さんなんだ!よく遊んでくれたお姉ちゃんみたいな人で……｣
｢そうやったんか!俺は実際会ったことないけど、Aさんの日でもあるしこの人にも報告しに来ようと思って｣
ゾムは墓に水をかけ、｢あの人に会わせてくれてありがとうございます｣と小さく呟いた。
一通りやる事が終わったのか、ゾムは立ち上がり後片付けを始めた。
｢お前そういや親とかどこなん?1人?｣
｢あっ……えっと……｣
そこまでは考えていなかったので、とうとうAは黙り込んでしまった。不思議に思ったゾムが｢親おる?｣と聞いてきた。ううんと首を振って答えた。｢家は?｣と聞かれた。ううんと首を振って答えた。
｢じゃあうちの城来いよ｣
｢は!?｣
ゾムは考えるまもなく、自然に、友達を家に誘うように言った。この答えは全く予想していなかった。そんなに軽々しく城に入れていいものなのか。
｢そんな家みたいなノリで行くとこじゃねぇぞ。しかもこんな見知らぬ子供なんて｣
Aが驚きつつも発言すると、ゾムは、はははっと笑った。
｢俺だって一緒や。森に1人でおった見知らぬ子供やった。けどAさんに拾ってもらったんや。懐かしいな。俺、Aさん攻撃したからお前よりもびっくりしたわ。だからさ、そういう心の広さとかがあの人の強さなんやろな。俺はあの人みたいになりたい。だから今度は俺が、助ける番｣
そう言って手を差し伸べるゾムの手をAは、無意識にその手をとっていた。気づけば手を繋いで大きな城へ向かっていた。
｢(そうだ。俺、ゾムの事拾ったんだった……)｣
少尉が親になったけど、完全に自分の子供だと思ってた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 871人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シャケ(プロフ) - 忘れてませんよー！待ってます！٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2022年3月19日 0時) (
レス) @page23 id: 55da0134b5 (このIDを非表示/違反報告)
ハセモ(プロフ) - 捨てません。忘れません。待ってます。 (2021年9月4日 4時) (レス) id: ee00a59ee0 (このIDを非表示/違反報告)
LIKE_LR(プロフ) - 続き待ってます！！ (2020年9月19日 10時) (レス) id: 9b900481c7 (このIDを非表示/違反報告)
すやや - 続編おめでとうございます!!!前作も含めて楽しく見せてもらっています!!!更新おうえんしてます!! (2020年5月29日 23時) (レス) id: 392bac1abb (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - はげわしさん» その急な投稿で1ファンである私が喜びます！！！ (2020年4月25日 18時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はげわし | 作成日時：2020年4月19日 3時
