??歳 ページ21
奴らにバレぬよう、大きく、大きく外回りで裏取りを実行する。自分に愛馬と呼べる馬はいないので、暗殺部隊の馬を借り前へ前へと進んでいく。
幸い、計画通りAグループに敵は皆集中している。今のところは順調。無線を聞くとグループAはグループBを問題なく戦車へ近づけることに成功したようだ。
わかった、引き続き頼む、と無線を切り私は一息ついた。
｢大将の首は私に取らせてくれ｣
遠くで聞こえる大砲や銃の音、馬の足音と風を切る音の中で私は後ろの部下たちに目をやらず言った。
｢……総統の命令とあらば｣
分隊長が代表して答えた。いつもなら絶対に許してはくれないだろう。だが、今回ばかりは承知してくれた
｢そうやって許してくれるお前達の為にも、やり遂げなければな｣
馬の手綱を持ち直し、腰を浮かす。
｢少しスピードをあげよう｣
鞭を叩き、身体を前のめりにし馬に走りやすい状況を作る。馬はそれに応えるように走った。
幸い敵は全く来ず、ただ我々は荒野を走っているのみ。部下たちが戦っている方を見れば、何故か敵側のボス戦車が後ろへ下がるのが見えた。
｢まだグループBは戦車に入っていないはずでは……?｣
｢はい。時間的にも｣
ならば戦車が後退するのはおかしい。グループAが見つかり、戦っているのは監視係の無線によりわかっている。そしてそれが発覚する前にグループBを送った。グループAよりも遠回りのため見つかるリスクも少ない。が、すぐには着かないはずだ。
｢気づかれたか?｣
｢だとすれば後退の前に我々を消しに来るはずです。それも総統が来ているとなれば特に｣
私の独り言のような疑問に、素早く答えてくれる分隊長。
後ろの部隊もザワザワとしており、｢初めて見るパターンだ｣とか｢そんなにすぐ見つかる距離だったか｣とか動揺の声を上げている
｢もしこのまま逃げられては追いつかない。急ごう。もっとスピードを上げろ｣
いっせいに鞭を打ち、まるでバッファローでも走っているのではないかと思う程けたたましい馬の足音が辺りに響いた。
馬達の走った後は限りなく砂埃が立ち込めていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 530人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はげわし(プロフ) - ルリさん» 返信遅くなってしまい申し訳ないです!続編出しましたので是非そちらからお父さんの今をご覧下さいー! (2020年4月19日 12時) (
レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - 感動して泣いてしまいましたっっ！お父さん生存だといいな…… (2019年12月1日 0時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
はげわし(プロフ) - snowさん» 呼んで頂きありがとうございます!お褒めの言葉とても嬉しいです(｀・ω・´) (2019年11月10日 21時) (レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 最初面白いのに最後泣けるとか最高かよぉ…(ТДТ) (2019年11月8日 21時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
はげわし(プロフ) - ライクさん» どうぞどうぞー!完成したら是非1度見てみたいですー! (2019年10月1日 23時) (レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はげわし | 作成日時：2019年8月7日 17時
