13歳 ページ15
｢父さんはそうやっていつも俺を認めてくれない!!もういい!!出ていく!!!｣
グルッペンが今まで出したことの無いくらいに声を張り上げ、総統室の中にビリビリと響き渡った。
バタン!とドアが壊れるのでは無いかと思うほどの音を立てて勢いよく閉められた。総統室ではAが機嫌悪そうにドアを睨んでいた。
グルッペンとA、初めての親子喧嘩だ。
──
父さんは最近余計なお世話ばっかりしてくる。人の触れてほしくない事も平気で聞いてくる。でもそれ以上に、子供扱いしてくるのが一番気に入らない。
なにをしようにも｢お前にはまだ早い｣、｢お前にはまだ早い｣と決まり文句のように言ってくるのだ。
｢俺はもう子供じゃないぞ!!｣
｢いや、世間一般から見りゃまだ子供やで｣
そんな現在、俺はトントンの部屋に入れてもらっている。俺が愚痴をこぼしている時、彼はお茶を飲みながらちゃんと話を聞いてくれていた。
｢やっぱ総統っていう位置に立つんやし、色々心配にもなるやろ。うちのオトンはそうでもないけど｣
トントンは落ち着いた口調でそういい、お茶を飲む。俺も目の前に出されたお茶に口をつける。レモンティだったらしく、ほんのりレモンの味が舌に染み渡った。
｢で、ここまで来たんは何が原因や?子供やからって言われ続けて堪忍袋の緒が切れたんか?｣
そんだけやないと思うけど、と付け足しティーカップを机に置くトントン。流石、5年近く一緒にいるだけはある
｢俺はそろそろ軍の指揮を執りたいと思ったんだ。父さんから出されたテストの指揮のとり方はもう満点だし、1部の兵士達に立ち回りの指示をしてもいい許可も得た。なのに、父さんは｢お前ではまだ無理だ｣って｣
お前にはまだ早い、ではなく、お前ではまだ無理だと言われたことに腹が立った。それをトントンに言うと、｢わからなくもないけどそれはちょっとな……｣と一緒に悩んでくれた。
｢まるでグルッペンに指揮を任せられないような言い方やな。でも言うてまだ13歳。任せられないのもわからなくもない｣
トントンの言うことも間違いではない。でも、それでも、いつも褒めてくれて、出来そうな事はやらせてくれた父親がずっと否定し続けるのはやはり悲しい。
｢そういえばうちのオトン。前、息子がどんなに優れた能力を持っていても、国民達からの不満を買うからああいうのは現総統がやるほうがいいって言ってたな。もしかして……｣
すまん、待っとって、と言ってトントン部屋を飛び出した。
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はげわし(プロフ) - ルリさん» 返信遅くなってしまい申し訳ないです!続編出しましたので是非そちらからお父さんの今をご覧下さいー! (2020年4月19日 12時) (
レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - 感動して泣いてしまいましたっっ！お父さん生存だといいな…… (2019年12月1日 0時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
はげわし(プロフ) - snowさん» 呼んで頂きありがとうございます!お褒めの言葉とても嬉しいです(｀・ω・´) (2019年11月10日 21時) (レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 最初面白いのに最後泣けるとか最高かよぉ…(ТДТ) (2019年11月8日 21時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
はげわし(プロフ) - ライクさん» どうぞどうぞー!完成したら是非1度見てみたいですー! (2019年10月1日 23時) (レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はげわし | 作成日時：2019年8月7日 17時
